漫画一覧

『メロドラマ』の書影

メロドラマ

268

発刊: 2014.12.17 ~

既刊1巻

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『退屈が大好き 新装版』の書影

退屈が大好き 新装版

3.10

257

発刊: 2014.04.18 ~

既刊1巻

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   1987年に発売された短編集の新装版。退屈な日常のなかで、恋愛やセックスにいそしむ若者たちが、戯画的に描かれる。 <p>   岡崎京子は、とにかく作品を量産する作家であり、そのためか作品の当たりはずれの落差がわりと大きい。はっきり言って、この『退屈が大好き』には、これは傑作! とうならされるような作品は収録されていない。しかし、完成度は低くとも客観的観察に基づく、クールで的確な描写は痛快だ。 <p>   異様に元気で周りをかえりみないマイペース女や、「恋する女は小さな野獣」というタイトルそのままの恋に走る女など、生き生きとしたキャラクターたちはとてもリアルだ。全編にわたり、著者のさめた視点や的確な観察眼が堪能できる。時代の空気を反映しつつ、流行に流されない普遍的なおもしろみがあるのも、この鋭い感性のたまものだろう。 <p>   「ある意味破壊的なまでのいいかげんさ」は、本書発売当時の岡崎作品の特徴のひとつといえる。狂言回しのマドモアゼル京子の司会進行による「東京マドモアゼル劇場」や、女性たちの本音を切り取ったショートショート連作「ガールフレンド」に見られる、あっけらかんとした無責任ぶりは、爽快ですらある。 <p>   セックスにまつわる話が多く露悪的な場面が頻出するが、シャープに描かれているせいか、それほど下品な印象を与えない。とにかく、パンクな岡崎京子らしさがみなぎる作品である。(横山雅啓)

『プラスチックガール』の書影

プラスチックガール

3.07

249

発刊: 2000.09.01 ~

既刊1巻

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『学ぶ』の書影

学ぶ

233

発刊: ~

既刊1巻

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根本 敬(ねもと たかし/けい、1958年6月28日 - )は、漫画家、エッセイスト、映像作家、コレクター、人物研究家、歌謡曲研究家、蛭子劇画プロダクション・チーフアシスタント。東京都出身。東洋大学文学部中国哲学文学科中退。「ガロ系」と呼ばれる、日本のオルタナティブ・コミックの作家のなかでも最も過激な作風の漫画家である。 「特殊漫画家」「特殊漫画大統領」を自称する。漫画雑誌『ガロ』を牽引していた一人であり、因果者・電波人間探訪の権威にして名実ともにサブカル界の大御所に位置する。 「因果者」「イイ顔」「電波系」「ゴミ屋敷」「特殊漫画」などといったキーワードを作り出し、悪趣味系サブカルチャーへ与えた影響は大きい。主著に『生きる』『因果鉄道の旅』『豚小屋発犬小屋行き』等多数。 名前は正しくは「たかし」だが「けい」と読まれることもあり、本人も許容している。 1958年東京都目黒区生まれ。東洋大学文学部中国哲学科を6年かけて中退する。『月刊漫画ガロ』1981年9月号掲載「青春むせび泣き」で漫画家デビュー。以来「特殊漫画」の道を突き進み、漫画界の極北に位置する。漫画界のみならず、音楽界やアート業界にも熱烈な支持者やフォロワーを持つオルタナティブ界の最重要人物でもある。 またエッセイストとしても活躍し、因果者遍歴を記した『因果鉄道の旅』(KKベストセラーズ)を1993年に刊行、漫画以外に新たな読者を開拓する。漫画に限らず文筆や映像、デザイン、講演、装幀、出版プロデュースなど多岐にわたり活動(依頼された仕事は原則的に断らない)。幻の名盤解放同盟のチーフとしてアクの強すぎる昭和歌謡の発掘活動も行っていた。 『ガロ』1989年2・3月号より1992年4月号にかけてに連載した‟大河精子ロマン三部作”「タケオの世界」「ミクロの精子圏」「未来精子ブラジル」で精子漫画の火蓋を切る。近年は、漫画よりも文章の仕事が多かったが、現在執筆中断中の作品である「未来精子ブラジル」の完成に向け、作業を再開。さらにその準備作業として『生きる2010』を執筆、青林工藝舎より上梓した。     特殊漫画大統領。 あまりに下手すぎる絵柄と因果なストーリー展開で、万人を全く寄せ付けない作風でおなじみ。 著書に漫画では『天然』『生きる』活字では『電氣菩薩』『人生解毒波止場』『因果鉄道の旅』など。 幻の名盤解放同盟にも参加。 「電波系」という言葉を広め、そういう人達の存在を社会に知らしめた人。     1958年生まれ、東京都出身。1981年に『月刊漫画ガロ』で漫画家デビュー。因果者・電波人間探訪の権威にして「特殊漫画家」「特殊漫画大統領」を自称する。 便所のラクガキが増殖したような異様な作風を持っており、見たら素通りできない強烈な個性を露出している。その悪趣味極まりない表現は他の追随を許さないものであり、サブカルチャーに与えた影響も非常に大きい。 代表作に「生きる」「タケオの世界」「因果鉄道の旅」「豚小屋発犬小屋行き」「未来精子ブラジル」など。読者は彼の漫画を「この世の真理」とも評している。

『バージン 新装版』の書影

バージン 新装版

3.07

216

発刊: 2002.08.01 ~

既刊1巻

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   1985年に発売された、岡崎京子の処女短編集の新装版。表紙に描かれた女性の、さめた瞳の印象そのものといった雰囲気の、はかなくもみずみずしい作品群が並ぶ。 <p>   本書は、94年発売の単行本『リバーズ・エッジ』以降の作品群などと比べると、まだ完成度が低く粗さやつたなさが目立つものの、90年代以降あまり前面に押し出されなくなる、叙情性や透明性が印象的である。また、『リバーズ・エッジ』以降の作品に至るまで一貫して特徴的な、岡崎京子らしいクールな感性が、すでに「彗星物語」の、時間が止まったかのような砂浜にたたずむ2人の会話のモノローグや、「CURRY RICE」の、大好きなカレーライスと、彼氏との初体験との鮮やかな対比などに見いだされる。 <p>   また、一見相反する要素が実は表裏一体であり、そのためにさまざまな「むずかしい問題」が発生する、という岡崎作品の重要な主題も、恋愛感情の残酷さをさらりと描く「あねいもと」などで、すでに描かれはじめている。大島弓子や奥平イラなど先人の影響が未吸収のまま表に出たような側面もある一方、パンク・ニューウエーブ期の音楽の自由奔放さにも似た、岡崎京子のなんでもありの独自性もはっきりと顔をのぞかせている。どんなことも起こりうる世界のなかで生活を送る若者たちに、「いま起こっていること」を描き続ける岡崎京子の出発点として、読み逃せない初々しい1冊。(横山雅啓)

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