愛と呪い

ふみふみこ

3.40

3257

発刊:2018.06.09 〜

完結・全3巻

『愛と呪い(1)』巻の書影
『愛と呪い(2)』巻の書影
『愛と呪い(3)』巻の書影
ずきやまさん、他2人が読んでいます

あらすじストーリー紹介

物心ついた頃には始まっていた父親からの性的虐待、宗教にのめり込む家族たち。愛子は自分も、自分が生きるこの世界も、誰かに殺して欲しかった。阪神淡路大震災、オウム真理教、酒鬼薔薇事件……時代は終末の予感に満ちてもいた。「ここではないどこか」を想像できず、暴力的な生きにくさと一人で向き合うしかなかった地方の町で、少女はどう生き延びたのか。『ぼくらのへんたい』の著者が綴る、半自伝的90年代クロニクル。

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この漫画のレビュー

一覧
5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.40

67件の評価

2.0

3巻まで読みました

このレビューにはネタバレを含みます。

幼少の頃から父親に猥褻行為を受け続け、それに対し何も救ってくれなかった家族や自分の人生に絶望してひたすら堕ち続け、やがて大人になり人生の区切りをつけるまでの物語。
作者曰く「半自伝」とのこと。

・思春期を迎える以前から執拗に父親に猥褻行為を受ける
・家族は咎めることなく、それを笑って見ていた
・宗教が家庭や教育機関に根付く、いわゆる宗教都市の中で「自分を何ひとつ救ってくれない宗教」に嫌気がさしていた
・世紀末、阪神淡路大震災や酒鬼薔薇聖斗事件にノストラダムスの大予言などで世間は閉塞的な空気だった
・1990年代前半の"キレる17歳"世代だった主人公は、家庭状況や世情にも感化され「重度のメンタルヘルス」になってしまう
・やがて大人になるも、幼少の頃のトラウマにより自分は「普通の家族」を持つことはできまいと思い、自ら周囲と隔絶する
・そして「家族」というコミュニティ、概念がいつしか自身を苛む呪いとなってしまう

とりあえず鬱系の漫画を読みたきゃこれ読んどけ、という感じでしょうか。
中途半端に「半自伝」と宣うなら、本当にいっそのことオーバーな部分は取り外してエッセイにすれば良かったのにと思います。
わざわざ「半自伝」なんて言う必要があったのでしょうか。最終巻で挟まれるいきなりの作者コメントもよくわかりませんでした。
もちろん、漫画は100%が創作だとは思いません。どんな作品だって、作者の自己投影する部分はおありだと思います。
それでも、フィクションならフィクション、エッセイならエッセイ、とはっきり線引きして欲しかったなと思いました。
つまるところ、「どういう気持ちで読めばいいの?」って思ってなんとも言えない読後感でした。

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