マイベスト10に一度入った作品含む。どれも心に響く美しい作品。
就活をドロップアウトして、レンタル屋さんでバイトを始めた主人公の伊賀くん(23)は、1コ上の先輩・白川さんに一目惚れ。ぱっと見、悪くないルックスの彼女。ところが、職場の先輩達からは「マニアックな映画にしか反応しない変わり者」という評判しか聞こえてこない。さらにが、彼女がいつもつるんでいる同僚と2人セットで「圏外」と呼ばれており、恋愛対象からは完全に除外されていて…!?白川さんにあれこれ接触してみたりオールナイトの映画を二人で観に行ったりしてみても進展があるのやらないのやら…という感じのもどかしい毎日。おまけに職場の先輩達との雑談のネタにもできないビミョーな恋心を抱えて今日もバイトに向かう伊賀くん、、、はたしてこの恋、アンテナの立つ日は来るのか…??
「紳士淑女の皆さん!摩訶不思議な手品の世界をご覧に入れましょう!」少年は何ものにも従わず、軽やかに己の道を歩む――。マジシャンとして天性の才能を持ちながら、何ものにも縛られることなく自由に生きる少年・長見良(ながみ・りょう)。マジシャンだった祖父・龍五郎(たつごろう)に憧れて育ったサラリーマン・北條(ほうじょう)。龍五郎が生前にとった唯一の弟子だった良には、ある秘密があった。そして、良の才能に魅入られた北條は、ともに歩んでゆく。
稀代のマジシャンから手解きを受け、プロ級の才能がある中学生マジシャン・長見良。 彼はまるで魔法のようなマジックの才能を持つ傍ら、ディスレクシア、いわゆる失読症に悩まされる障がいを抱えていました。 そんな彼が自らの障がいと闘い、マジックひとつで自分も他人も笑顔にさせる。 画力が高くて、絵が綺麗。マジックの描写も美しく、物語の運び方も丁寧。 最終9巻で色々と1巻との対比が見られますが、良君の成長ぶりが美しいです。ただ、少し駆け足だったかなという印象です。 しかし、それを鑑みても一読するにあまりある作品でした。 字の読み書きができないという失読症は、一般に大きなハンデです。まず普通学級の学校には通えない。それでも、マジックという「言語がいらない芸術」を武器に、家庭や学校、世間、そして自分と闘いながら生き方を模索していく。 その物語がとても美しくて、ほぼ毎巻泣きました。主人公の良君以外の関係者にも物語があり、大変泣かされました。 ただのシンプルなお涙頂戴ではなく、そこに至るまでに積み上げられた物語があるからこそ、より感動しました。 何より、作者様の物語の構成力、技術にただただ感動です。 最後に、作中で引用しているセリフ、"You are magic!" これが印象的です。その意味するところを、ぜひ読んで感じてください。 本当に名作。
by せーふぁ (1046)