おせん、新装開幕!一升庵に舞い込んだテレビ局の取材依頼――。若き料理人達との、山菜採り――。2つの難題に、おせんの五感が冴え渡る!“視聴率の神様”と称されるプロデューサーの手がけるテレビ番組、そこで紹介されるお店の候補に挙がった一升庵。出演交渉を兼ねて取材にやって来た番組スタッフから、視聴率のためにあれやこれやと注文を受けたおせんは……?現代(いま)だからこそ伝えたい、人と食を真っすぐ繋げる珠玉の物語。
1973年から10年間連載した釣りマンガ『釣りキチ三平』(週刊少年マガジン連載)。全国に釣りブームを巻き起こした巨匠・矢口高雄の名作だ。主人公、三平三平の兄貴分であり、師匠でありライバルである鮎川魚紳が、装いも新たに完全復活! 連載開始から45年の時を経て、イブニングに降臨した!
3.55
758
発刊: 2017.10.23 ~
完結・全3巻
新刊通知
a早稲田大学4年生の島耕作。大学生活も残すところ1年となり、ついに「就職活動」のシーズンが到来!目指すは大手電機メーカー「初芝電産」の内定ゲット。さっそく同級生の樫村とともに初芝の一次選考に挑むが、耕作の身にまさかの緊急事態発生! 就活は波乱の幕開けに……。のちに大企業のトップに立つ男の「原点」となる波乱万丈の青春譚、「就活編」がいよいよ開幕!
『学生島耕作』の大学4年生の一年間をタイトルだけ変えたものです。 "就活編"とついてますが、実際に就職活動をしているのは1巻のみで、役職が変わるわけでもない本作については本当に"学生"のそのまま続きといった印象があります。 序盤は島耕作が初芝電産に入社するまでのドラマ、残りは学生編で出会った友人、恋人達との清算編という感じの内容です。 学生運動にのめり込んで進学できなくなってしまったクラムチャウダーくんや、ダンスパーティーで壁の花だった最上陶子、その他、友人たちの就職活動が描かれています。 縁故や偶然から、大手企業の内定をゲットするエピソードが2,3あり、就職は成績ではなく"人"だと感じられるシーンもあります。 現在面接を受けて回っている就活生の参考になるかというと微妙なところで、こういうことは無いではないと思いますが、時代も違うし、マンガ内のエピソードとして読むのをおすすめします。 大学4年の就職間近ですが、女性関係はアクティブで、大学生らしらかぬアダルトな恋愛シーンも多いです。 前作でようやく脱童貞したと思えないほどの成長っぷりで、ある意味では島耕作の(下半身の)成長を描いた物語といえなくもないですね。 全3巻で完結、本作によりイブニング連載版の島耕作は終了となります。 最後におまけマンガとして"課長中沢喜一"が収録されていました。 若い日の中沢氏のほっこりエピソードは読んで嬉しかったです。 島耕作は難しいですが、個人的には中沢喜一な生き方こそサラリーマンのお手本として尊敬できる姿だと思いました。
by うにたべたい (581)3.36
720
発刊: 2017.08.23 ~
完結・全3巻
新刊通知
a京都でテーラーを営む曽根俊也。ある日、彼は父の遺品の中から黒革の手帳、そしてカセットテープを発見する。手帳は英文でびっしりと埋め尽くされており、さらに「ギンガ」「萬堂」という製菓メーカーの情報が。そしてカセットテープには幼い子供の声が入っていた・・・。その声は、31年前に起こり未解決のまま迷宮入りした、【ギンガ・萬堂事件】で脅迫に使われた録音テープの音声と全く同じだった。――「これは僕の声だ」。 そこから俊也の苦悩が始まる。それと同じ頃、大日新聞大阪本社の新聞記者・阿久津英士は年末の特集記事で【ギンガ・萬堂事件】を扱うことに。英国に犯人らしき重要人物がいたとの情報を受け渡英するが・・・。31年前、実際に起きたあの未解決事件に迫るミステリー大作!!
3.60
717
発刊: 2015.02.23 ~
完結・全4巻
新刊通知
aあの連合赤軍事件をモチーフに、1972年2月のあさま山荘事件へ向かう当事者達最後の60日を、山本直樹が徹底した取材を基に丹念に描く。第1巻では、1972年1月3日までの山岳ベースにおける総括要求、仲間内のリンチ、そしてメンバー二人の壮絶な“敗北死”が描かれる。山岳という閉鎖空間に集った若者たちの自己正当化と、思考停止。他人事ではない、すべての組織が抱える闇。組織に属する者、束ねる者必読!
かつて京で、幕府に背く長州藩らの不逞浪士を取り締まっていた武闘集団「新選組」。明治元年、今や長州・薩摩が官軍を名乗り新選組は賊軍と化していた。官軍に北へと追いつめられる中、新選組副長の土方歳三は、重病を患う友・沖田総司のもとを訪れる。はたしてその真意とは――!
主人公を土方歳三に据えた歴史漫画。 歴史漫画の醍醐味は、終わりがわかっている史実をベースにしながらも、どの辺で作者の色が出ているかを比較しながら楽しむところにあると思います。 この点、本作は初っ端から「土方歳三の小姓・市村鉄之助と沖田総司を入れ替え、沖田総司を生き長らえさせている」 という大胆なアレンジから入ります。 過去を回想するかたちで池田屋事件のエピソードも挿入されますが、ここも他では見たことがない切り口。新鮮です。 その他、新政府軍に対抗すべく、東北に朝廷を建てる構想があったという一説をストーリーに組み込んでいたりと中々面白いです。 作画の迫力や最低限のセリフ、テンポのいいナレーションも相まってとっても読みやすいし「if」のストーリーに違和感がない。 なにより洋装をして土方と共にする沖田が見られて嬉しい…これぞ漫画の醍醐味ですよね。
by せふぁ (1212)舞台は1966年の東京。夢と希望を胸に抱き、早稲田大学法学部に入学した島耕作。東京で芽生える新たな友情、刺激的な人々との交流、そして心惹かれる女性との出会い――。学生運動まっさかりの激動の時代に、多くの邂逅や経験を経て一人の青年がどう成長していくのか、後に大企業のトップに立つ男の「原点」となる青春時代、開幕!!
連載順としては『係長島耕作』の次に描かれた、島耕作・学生編。 戦後のベビーブーム期に生まれた島耕作ら団塊の世代の大学生生活はいかなるものであったかが描かれています。 単独のタイトルで書籍化されている島耕作シリーズでは、現時点で一番時系列的に古い作品のため、島耕作シリーズを読み始める場合、本作からというのもありだと思います。 本作時点では初芝電産は一企業としてしか登場しないため、初芝のクセの強い面々は登場しません。 初芝入社以降、ライバル兼友人として登場する「樫村健三」、そして今後、伴侶となる「岩田怜子」、探偵の「木暮久作」は本作からの登場ですね。 初芝入社以降のサラリーマン島耕作とは舞台が全然異なるため、基本的に役職が変わるだけの連続シリーズであるヤング以降と比較すると、独立しています。 ただ、大学4年の1年間は『学生島耕作 就活編』とタイトルを変えています。 本作と就活編はタイトルだけ変えたひと続きで、本作ラストもストーリーに区切りは特についていないので、本作と就活編2作で一作品として読むべきだと思います。 ストーリーは、山口から大学受験のため上京するところから始まります。 入学試験、大学入学からバブル期の大学生のリアルな日常が描かれていて、その頃新宿の赤線地帯で流行っていたヌードスタジオ、大学生主催のダンスパーティー、恋人とのセックス、酒、麻雀、バイト、そして学生運動と、当事者は本気ながらも、傍から見ると思わず「勉強しろよ」と思ってしまいます。 特にマルクス主義に被れた学生たちの紛争は象徴的で、島耕作の友人が反ブルジョワ運動の中心までのめり込んでしまいます。 (本人もブルジョワ層にも関わらず) ベトナム戦争反対を持ち出して羽田空港などで蜂起した学生がゲバルト棒なる角材を持って機動隊と戦うシーンなどがあり、非常に興味深く読めました。 当時の大学生がみんな学生運動に関わっていたわけでも無いと思いますが、本作で描かれる学生たちの姿も一つのドラマだと思いました。
by うにたべたい (581)