ねむようこさんの作品の書影

ねむようこ

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829

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yu0528
10ヶ月前

3.0

3巻まで読みました

turn19まで

こっち向いてよ向井くん

レビュー(58)件

既刊4巻

4.0

1巻まで読みました

『午前3時の無法地帯』、『午前3時の危険地帯』のスピンオフ短編集。
収録作は5編で、各話主人公が異なる形式です。

<ガゼルのたてがみ>
主人公はP-DESIGNの営業・輪島です。
本作だけ、執筆時期が『~無法地帯』終了後、『~危険地帯』開始前で、そのため『~無法地帯』内のできごとがネタになっています。
よく当たり散らしているが、実は気が弱い輪島は、ある朝、既に退職した元女性社員・由香のにらみつけるような目を夢に見て目覚めます。
その後、街で偶然、由香に出会い、気にし始めるという展開です。
恋までは発展しないものの組み合わせが意外でおもしろかったです。

<empty heart>
宮下の元カノ・アキホと、P-DESIGNのデザイナー・田辺のスピンオフ。
こちらも組み合わせが意外に感じました。
というか、田辺は、そういうキャラがいたことは覚えていますが、名前があったのかレベルの認識しかなかったです。
地味なキャラに映りましたが、本作でようやくスポットライトがあたったように思います。
アキホも、本編では悲惨な役柄でしたが、本作でなんとなく救われた感じがしました。

<大人の事情>
真野さんと堂本のスピンオフ。
『~危険地帯』内であったできごとの裏話的な内容です。
短編だし、展開は非常に王道、だけどこんな"仕方ない"から壊れるもんだよね、という話です。
最終的にはハッピーエンドとなりますが、ご都合主義的なところが強かった気もします。
ご都合主義なハッピーエンドが好物な私としては、本書収録作内で一番好きな作品です。

<ウェディングマーチ>
怪人パンツ男・瀧と、『~無法地帯』で職場連れ込みがバレた瀧の友人のスピンオフ。
急に結婚の話を持ちかけられ、人生に悩み始めた瀧が、ある日、乗ったタクシーの中で不思議な経験をする話です。
オチはありますが、珍しく神秘的で、世にも奇妙な物語系の展開となっています。
ラストはシリアスですが、ギャグテイストも強い作品で、異色感があります。

<きのうと今日とそれから>
ももこと多賀谷、たまこと宮下、過去2作それぞれの主人公カップルを主役にした作品です。
その後のそれぞれが描かれていて、ほんわかした内容です。
終了した少女漫画で一緒になったカップルは、その後、破局を迎えるのかもしれない、それは作者にも読者にもわからないことですが、少なくとも『~無法地帯』と『~危険地帯』2作の2組は、ずっと一緒に続いていくのだということを感じられる作品でした。
『きのうと今日とそれから』が2012年なので、もう続編はなさそうですが、こんなブラックな会社は幸い(?)現在も存在しているので、変わらないままさらっと続編が描かれたら嬉しいなと思いました。

午前3時の不協和音

レビュー(85)件

完結・全1巻

4.1

4巻まで読みました

『午前3時の無法地帯』の続編です。
前作と同じパチンコ専門のデザイン会社が舞台で、主人公は、前作主人公の後輩にあたる「小倉たまこ」にバトンタッチします。
七瀬ももこを始め、前作登場のメンバーは引き続き登場します。
本作からでも問題なく楽しめますが、漆黒の職場環境がインパクト無く登場するので、前作から読んだほうが楽しめると思います。

主人公・小倉たまこは、父が勝手に履歴書を送ったデザイン会社・P-DESIGNで面接をします。
社会人経験無い上、面接でろくに受け答えできなかったのですが、突然入ってきた社長の鶴の一声で採用されてしまう。
パンツマンがうろつく女子には険しい職場に、試用期間の内に辞めてしまえと考えるのですが、社員旅行先がマウナ・ケア山と聞き、踏みとどまります。
結果、社員旅行は無しになるのですが、そのまま流されるように、仕事をこなしてしまうという展開です。

たまこは、色気なし、天然パーマでメガネスタイルで地味なキャラですが、面接をした堂本に憧れを抱いてしまう。
一方で、発注元のパチンコ店で出会った宮下に気に入られてしまう。
本人は恋愛からは一歩引いて過ごしていて、それどころではない業務多忙の中にいながら、いつの間にか恋愛の渦中に飛び込んでしまいます。
前作では極悪な環境の中でさばく仕事のやりがいや生き方がメインで描かれていて、恋愛要素はおまけ感ありますが、本作の主人公は引くくらい能力が高く、メインは恋愛になっています。
どちらの生き方がどうというわけではないのですが、個人的には、前作主人公のももこは暴走気味に感じ、読んでいてハラハラしました。
行動が理知的なのに振り回されるたまこがかわいらしく、本作のほうが私は好みです。
とはいえ、作品としての雰囲気は変わらないので、前作で良かった方は本作も楽しめると思います。

午前3時の危険地帯

レビュー(119)件

完結・全4巻

3.9

3巻まで読みました

パチンコ専門のデザイン会社で働く女性が、仕事と恋愛に勤しむお仕事マンガ。
タイトルは、タイトなスケジュールで徹夜作業が日常となってしまったデザイン会社の、無法地帯と呼べる劣悪な午前3時頃を指しています。
ろくに家にも帰れず、風呂にも入れず、女子であることを諦めつつある女性会社員の苛烈な日々を描いた作品です。

主人公の「七瀬 ももこ」は、デザイン会社を卒業後、デザイン会社に入社します。
ただ、その会社はパチンコ専門で、それを知らなかったももこは、常時タバコ臭く、肌着で徘徊する男性社員がいるその職場環境に耐えきれなくなっていきます。
学生時代からの彼氏の家もビジネスホテル代わりになっていて、ジェットコースターのような日々に区切りをつけるべく退職届を認めます。
そんな折、彼氏の浮気現場を目撃しますが、冷めている自分の感情に気づきます。
仕事も覚え、徐々にやりがいを感じ始め、りっぱな社畜が一丁上がりするまでのサクセスストーリーですね。

デザイン業界は華々しいイメージがありますが、パチンコ専門に限らずデザイン会社はブラックが多いという話を聞いたことがあります。
作者のねむようこ氏がパチンコ専門のデザイン会社勤務経験があり、リアリティのある現場が描かれています。
こんな漆黒の会社に技術職が働くとは思いもよらない新人デザイナーは、夢打ち破れ去ってゆくのが常ですが、ガッツのある主人公は泥だらけになりながら会社に残り続けます。
それが正しいというわけではなく、そういう生き方を選んで輝き続けている、かっこいい女性が描かれた作品だと思いました。

そんな厳しい仕事をしながら、恋愛についても描かれていますが、恋愛部分は主人公に暴走しすぎなところを感じました。
読んでいて、行動として正しいのだけど、一方的な気がしました。
最終的に大団円とはなりますが、恋愛要素はおまけのように思います。

全3巻で一旦終了となります。
主人公をバトンタッチした続編があるようなので、そちらも読んでみたいです。

午前3時の無法地帯

レビュー(206)件

完結・全3巻

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