『蒼天航路』の王欣太が中国の戦国時代を描く! 時は戦国末期、まさに天下を征服せんとする虎狼の帝国・秦に対抗すべく立ち上がったのは、荘子の孫・荘丹。 文武が苦手で大ボラを吹くばかりの荘丹が、強大な秦を打倒する術とは? きらびやかな達人、侠客、美女、熱くたぎるドラマに、老荘思想のエッセンスをこめた渾身の最新作。
全国から極道たちが集まる浪花南刑務所…。毎年、クリスマス・イブの夜に密やかに開かれる男たちの闘いがあった。刑務所では年に一度の楽しみとして、誰が心待ちにしている“おせち料理”を賭けての“めし”自慢バトル!! 待望のおせち料理は誰の手に?
実際に食べないってことで一時期ちょっと話題になったグルメ漫画。ムショぐらしの囚人たちによる美味しいもので喉を鳴らす飯バトル。旨いものに飢えてる囚人ならではの話というか、その美味いものを食べるまでの経緯もその人の人生であり、読み応えのある短編集を読んでいるかのような名作。そして食べるものも高級品だとピンとこないから喉がならない理屈も筋が通っていて、話に出てくるものは馴染み深いものばかりなものだから、ついつい「あ~これうまいやつ!すぐくいてえ!」って唸りを上げてしまい、「ごく!」と喉を鳴る。あと最後のページの「ごく」の文字に「そういうことか!」と落語のオチみたいだった
by ラピス@プレトノイヴ (29)「殺したい人は、誰ですか―――?」殺人が合法化された未来の日本。凶悪、多様化した犯罪から弱者を守るため、「一生一殺法」(いっしょういっさっぽう)が制定された。それは、一生に一人だけ殺人が許可される権利。継父から虐待され続け、生きることに絶望した小学6年生や動物の虐待・殺害動画を流していた男に大切なペットを殺された家族、いじめにより、不登校になった女子高生から殺益申請がされた。これらが、受理されれば殺益執行委員が対象者の執行に向かうのだが―――。
まず言いたいのが、タイトルでめっちゃ損してる。内容を知らないとライトなデスゲーム漫画と勘違いしちゃう。なんでこんなタイトルにしたのかわからないです。。さておき、 「一生一殺法」という、12歳以上の日本国民ならば著しく心身に被害を被ったと認定されれば、誰でもその相手を殺すことが許される法律が存在する日本。 またこの法律に則り、これを"殺益権"と称し国民は行使できます。 ざっくり言うと、野崎まど先生の『バビロン』における「自殺法」の反対版と言ったら一番しっくりくるかもしれません。 こういう思考実験のような作品はとても好きです。そりゃ突けば矛盾点とか出てきますけど、それは野暮。 ちなみに作中世界では「一生一殺法」が抑止力となって実際に犯罪件数が減り、自殺大国日本もいまは昔、と描写されています。 3巻で完結ですが、非常に考えさせられる作品です。コンパクトにうまくまとめてあり、読み返すのにも丁度良いです。
by せーふぁ (1038)