西村ミツル

永年の時を経て蘇る伝統。新首相阿藤が復活させた官邸料理人。料亭政治という闇を吹き払い、開かれた官邸をアピールする為に抜擢された料理人は若干25歳の女の子・一木くるみ。一見頼りなさそうに見えるくるみだが、大使館公邸料理人・大沢公を師に持つ実力は折り紙つきだ。くるみに要求されるのは、首相の正餐の手助けをする事で…。「大使閣下の料理人」の西村ミツルが、期待の新人大崎充とタッグを組み送る料理人くるみの活躍。

第45代、及び第48代から51代に渡り首相を務めてきた吉田茂内閣時に任があった官邸料理人。
新たに内閣総理大臣となった「阿藤一郎」は、日本独自の料亭政治を廃止し、国民へのアピールのため、吉田茂より不在だった官邸料理人を復活させることにした。
官邸に招かれる要人、国賓、スポーツ選手などに、官邸料理人として着任した「一木くるみ」はメッセージを込めた料理を提供する、というストーリー。

政治的ないざこざや人間関係、また国家間の問題についても、メッセージが込められた一皿でより良い関係として前に進む手助けをする展開となっています。
序盤は1話ないし数話程度の短話で完結するパターンでしたが、中後半より官邸勤めから飛び出し、くるみがフレンチの世界大会に参戦する「カレーム・ドーム編」になります。
その後、雑誌が休刊となりカレーム・ドーム決勝まで描かれず連載は終了。
官邸料理人時にくるみの補佐をしていた「神矢ノエル」の娘の回想という形で幕を閉じました。

作る料理はフレンチを主体とした創作料理で、サイゼのミラノ風ドリアで満足する私的には味の想像ができないような料理ばかりでした。
食べる姿はおいしそうで、レシピの解説があるストーリーもあるのですが、目で味わうにはある程度、ちゃんとしたお店の料理の知識が必要になりそうです。
官邸が舞台ということで、固有名詞は置き換えられているものの実際の時事問題を絡めた展開も多くありますが、展開はシンプルでわかりやすかったです。
展開的にどうしてもご都合主義な感じが出てしまうのは仕方ないポイントとだと思います。
料理を提供される側も妙に料理に詳しかったりして、私なぞは「なんかよくわからないけどおいしい気がするー」という感想で終わりそうなものですが、まんまと料理の裏の意味を読み取って感心する展開になっています。

絵はとてもキレイで読みやすいです。
美女が多数登場し、尻の描き込みにこだわりを感じますが、絵がキレイすぎてエロスはあまり感じません。
それよりも、序盤くるみのライバルポジションとして「岩月理子」という娘が登場するのですが、こいつが自分勝手にやりたい放題やって失敗するくせに反省する素振りもないのがちょっとムッときました。
こいつに限らずくるみの周りに現れるキャラは基本最初は敵として現れるので、毎話苦労が絶えない主人公だなと感じました。

ドラマ化もされた作品ですが、前述の通り、途中で終わった感じがあるのが残念。
なお、次回作は無いですが、前作はあるようなので、そのうち読んでみたいと思います。

バンチコミックス

グ・ラ・メ!

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青年マンガ

グ・ラ・メ!(1)

永年の時を経て蘇る伝統。新首相阿藤が復活させた官邸料理人。料亭政治という闇を吹き払い、開かれた官邸をアピールする為に抜擢された料理人は若干25歳の女の子・一木くるみ。新しい官邸料理人として、難題をこなし評価を上げるくるみ。首相が後押しするリチャレンジ推進会議の意見交換会。何の問題も無い筈の交換会後の食事で何かが起きる…。新しい料理人はお嬢様!?　早くもくるみにライバル登場、お嬢様が作るその料理は…!?

グ・ラ・メ!(2)

永年の時を経て蘇る伝統。新首相阿藤が復活させた官邸料理人。料亭政治という闇を吹き払い、開かれた官邸をアピールする為に抜擢された料理人は若干25歳の女の子・一木くるみ。新しく研修生の理子を加えた官邸料理人だが、早々と大きな壁が立ち塞がる。中国首相を迎え接宴が執り行われる事に。反日感情をあらわにする中国側がメニューに対し出して来た無理難題とは？　くるみと理子、二人が作る一皿に日中関係の行方が左右される!!　※第20話、21話は収録していません。

グ・ラ・メ!(3)

増える設宴をこなす為、理子が料理長に就任。官邸料理室は、二人の料理長を戴く事に……。理子のメニューをくるみが調理？　新制度、ターンオーバー制の真相とは!?　おりしも阿藤首相に反感を持つ、フランス大統領が来日しての設宴が──。

グ・ラ・メ!(4)

永年の時を経て蘇る伝統。新首相阿藤が復活させた官邸料理人。料亭政治という闇を吹き払い、開かれた官邸をアピールする為に抜擢された料理人は若干25歳の女の子・一木くるみ。くるみとノエルのチーム・ルージュ、理子と大のチーム・ノワール。新システムにより二つのチーム体制となった官邸料理室。チーム体制発足直後の危機も乗り越え、次の設宴は何かと問題の多い財務省官僚……。くるみの師匠、大沢公も日本に戻って来ており……!?

グ・ラ・メ!(5)

Ｎ国拉致被害者会の陳情を受けた阿藤。おりしも、Ｎ国元帥張成日の子息が出入国管理法違反の容疑で拘束される。切り札を手に、Ｎ国に向かう阿藤首相達。──その中には、くるみ達官邸料理人もいた。食通と噂される元帥に、くるみの料理は届くのか。

グ・ラ・メ!(6)

永年の時を経て蘇る伝統。新首相阿藤が復活させた官邸料理人。料亭政治という闇を吹き払い、開かれた官邸をアピールする為に抜擢された料理人は若干25歳の女の子・一木くるみ。過激な行動で名を馳す環境保護団体セブン・シーズ。そのメンバー、エミリーが理子に直談判？　避けて通れない日米捕鯨問題。異なる文化、異なる環境の相手に交渉の余地は？　※第56話は収録していません。

グ・ラ・メ!(7)

永年の時を経て蘇る伝統。新首相阿藤が復活させた官邸料理人。料亭政治という闇を吹き払い、開かれた官邸をアピールする為に抜擢された料理人は若干25歳の女の子・一木くるみ。官邸料理人となり2年目、益々一皿に掛ける想いを強くするくるみと政治家としての資質を発揮し始める理子。しかしそこに阿藤首相をスケープゴートとした新党結成の動きが勃発する。窮地に立たされた阿藤、そして理子のピンチを救うためくるみが立ち上がる。

グ・ラ・メ!(8)

フランス料理人憧れの国際料理コンクール「カレーム・ドール」が日本で開催決定！　次のステージへ進むため、コンクールへのチャレンジを決意するくるみ。しかしその前に新たなライバル出現!!　くるみが育ったＮＫホテルの代表だという10代の女性シェフ・山崎シェリは、挑発的な態度で立ち向かってくる。その腕と技、料理センスに圧倒されっぱなしのくるみ。勝負の行方は……!?　フレンチワールドカップ・スタート、新展開の第9巻!!

グ・ラ・メ!(9)

料理人のプライドをかけたカレーム・ドール国内予選大会。準決勝にコマを進めたくるみだが、大沢師匠を慕うシェリと「真の弟子」の名を賭けたものに戦いは変貌していく。しかし準決勝の場で、まさかのイエローカード判定を受けるくるみ。準備したはずの材料に不足が生じ、料理するための時間も減っていく。トラブルを乗り越え、勝ち抜くことができるのか!?　シェリにつづくライバルも全国から終結！　さらなる新展開の第10巻!!

グ・ラ・メ!(10)

カレーム・ドール国内予選決勝戦は、鴨料理対決。予想を越えたシェリの料理の味わいに絶句する審査員たち。誰もがシェリの優勝を確信する中、理子の発言で思わぬ番狂わせが発生する!!　いよいよ決着のカレーム・ドール、くるみvsシェリ編ほか、アジア予選へ向けて新たなライバル登場の韓国編。そして今や日本を代表する食の祭典となった「B－1グランプリ」にくるみが飛び入り参加して活躍する「熱闘!!　B－1グランプリ」編を収録！

グ・ラ・メ!(11)

フレンチの世界大会「カレーム・ドール」アジア予選スタート!!　くるみとシェリ、凸凹天才コンビが驚異のチームワークで世界に挑む!!

グ・ラ・メ!(12)

フレンチの世界大会「カレーム・ドール」。日本代表に選ばれたくるみ＆シェリは、世界一の座を懸けて上海で開催されるアジア地区予選大会に出場。韓国、シンガポール、タイ、マレーシア、オーストラリア、ベトナム、中国の天才シェフたちに勝負を挑む。最大の難敵は中国の李超。知力と戦闘力を兼ね備えた戦略家・李の奇襲によってシェリが場内で倒れてしまい……。はたしてくるみ＆シェリはリヨン本戦への切符を手にできるのか!?

グ・ラ・メ!(13)

グ・ラ・メ!（12）

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