クニミツの政

安童夕馬朝基まさし

3.65

3924

完結・全27巻

タカノさん、他2人が読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.65

96件の評価

4.0

このレビューにはネタバレを含みます。

■作品紹介■
中学を中退して喧嘩と祭りに生きると決めた東京都下町のヤンキー武藤国光がひょんな事件(『EIJI』における「サイレント·ボマー」事件)をきっかけに政治に目覚め、師匠である牧原代議士(『EIJI』に登場する江川透流の父)の命令で、坂上竜馬の秘書として新千葉ヶ崎市の市長選挙を争う物語。国光の持つ天性の強運、カリスマ性と仲間の知恵を合わせて、強敵と戦っていく。単純明快な頭脳と大きな心を持った政治家秘書・クニミツが腐りに腐った日本の政治をぶっ潰す世直し物語。

今の政治の問題点(裏金、賄賂、天下りなど)に焦点を当てていて政治に関心を持つことの重要さがわかりやすい。教育、農薬、抗生剤、医療などの問題にも突っ込んでいる。
政治に関心がないとどうなるのか、政治に興味を持ついいきっかけになりそうな漫画。漫画なのでフィクション色も強いけど、根本的な問題をよく捉えていると思う。あと漫画なのに結構な部分まで切り込んでいるなと。
政治に関心を持つきっかけとして子どもたちに読ませたいと思える漫画だけど、20年以上前の漫画だから今の子たちが読んでもピンとこないところもたくさんありそうだし、セクハラ多いし、下ネタも多いのがちょっとネック。笑
堅苦しくならないように敢えてだとは思うけど。笑
あと、やはり漫画なのでこれが全てだと思ってはいけないからあくまで興味を持つきっかけにして欲しい。
個人的にはクニミツのその後が気になる。笑

4.7

27巻まで読みました

サイコメトラーEIJI後半で登場した蕎麦屋の倅「武藤国光」を主人公にしたスピンオフ作品。
スピンオフ元のサスペンスミステリーとは全く違い、ある衛星都市の市長選を舞台にした、社会派な作品です。

サイコメトラーEIJIにて牧原代議士の雑用係として採用されたクニミツが、修行という名目で新千葉ヶ崎市の市長になるべく活動している「坂上竜馬」の秘書になるため新千葉ヶ崎市にやってくる。
だが、この市は利権と癒着に塗れた政治家が好き放題やっている状態だった。
日本政治の暗黒面の縮図のようなこの街で、政治家浪人の秘書というポジションから膿出しを行うという内容です。

あらすじからは固い感じを受けますが、ギャグ要素が強く、読みやすいです。
テーマは政治ですが、この頃のマガジンらしく暴力とエロが基本です。
ただ、政治描写がデタラメかというとそういう訳ではなく、ご都合主義的な展開はあれども勉強になる内容でした。
土建屋と癒着し無駄な道路を作る現市長、教団員を街に引っ越させて市長になろうとする新興宗教の教祖、卑怯な選挙活動の妨害工作、教育問題や医療問題まで、様々な問題に対して、実例を交えてクニミツ達が切込みをいれるストーリー展開です。
基本的に勧善懲悪で、数話に1回ほどホロリとくるシーンもあります。
とてもためになり、面白かったです。

スピンオフ作品ですが、サイコメトラーEIJIとはほぼ関連が無く、本作からでも楽しめますが、ラスト近くにサイコメトラーEIJI内であった事件とEIJIの登場人物が少し出てくるので、呼んでいた方がベターかなという気がします。
この原作者と漫画家コンビの作品は他作品にも繋がっていることが多いので、基本的に古いものから読んでいくのがおすすめです。

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