『昭和元禄落語心中』 | 雲田はるこ | 既刊 : 10巻 | 講談社 | あらすじ・レビュー(口コミ・感想・評価)・ニュース

雲田はるこ

3.97

13353

発刊:2011.07.07 〜

完結・全10巻

『昭和元禄落語心中(1)』巻の書影
『昭和元禄落語心中(2)』巻の書影
『昭和元禄落語心中(3)』巻の書影
『昭和元禄落語心中(4)』巻の書影
『昭和元禄落語心中(5)』巻の書影
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『昭和元禄落語心中(8)』巻の書影
『昭和元禄落語心中(9)』巻の書影
『昭和元禄落語心中(10)』巻の書影
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この漫画のレビュー

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3.0
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3.97

252件の評価

4.2

舞台は昭和後期、獄中に見た落語に感動した元チンピラの男が、出所後即、落語家の元を訪れて弟子入りを志願する。
「与太郎」と名付けられたその男が最初の章の主人公で、表現の難しさ、楽しさと、師匠「八代目有楽亭八雲」の過去の因縁を知っていく展開となります。
2章は時が変わって戦前から戦後、襲名前の八雲・菊比古と、同時期に入門した初太郎の物語。
3章は再度時が戻って真打の昇進した与太郎こと三代目助六の物語となります。

戦後から平成初期にかけての落語界を舞台にした壮大なドラマで、移り変わる激動の時代に則さない落語という娯楽と心中しようという落語家の、一生が綴られています。
才能や色恋、襲名、擬似家族などの想いが複雑に絡み合ったストーリーで、雅でいて心を打つ物語だと思います。

落語界を描いていて、モデルもいるそうなのですが、主人公以外の落語家との確執であったり、大きく5つある落語界の裏表を描いたような泥臭い内容は描かれないです。
また、作中は色々起きるのですが、中心は落語ないし人で、実際に落語を弁じるシーンが多く描かれています。
落語のシーンは落語家もお客さんもとても楽しそうに描かれているので、本作を読んで、実際に落語を聞いてみたくなりました。

全10巻と短めですが、内容は濃くて重く、腰を据えて読む作品だと思います。
そして、その価値が十分ある素晴らしい物語でした。

12

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