満期で出所の模範囚。だれが呼んだか名は与太郎。 娑婆に放たれ向かった先は、人生うずまく町の寄席。 昭和最後の大名人・八雲がムショで演った「死神」が 忘れられず、生きる道は噺家と心に決めておりました。 弟子など取らぬ八雲師匠。惚れて泣きつく与太郎やいかに……!?
家柄が重んじられる歌舞伎界において、名門の御曹司として生まれたにも関わらず、実力のない恭之助。 歌舞伎とは無縁の家に生まれながら、実力のみで最底辺から成り上がろうとする一弥。 正反対の2人の男が、なんの因果か同じ女の子・あやめに恋をしたのが物語の始まり。 歌舞伎を愛するあやめに好かれたい恭之助は、コネなんかいらないから実力が欲しいと悔し涙を流す。 あやめの目の前で主役を張りたい一弥は、名門の養子になろうと…?