10巻
雑誌に、里緒の怪我が羽宗のせいであるかのような中傷記事が載せられた。記事を書いた久和(くわ)に、訂正させようとする里緒。だがそのかわりに、里緒が通う病院の小さなコンサートで、一緒に演奏する芸大生より上手に弾くことを要求される。満足に動かせない左手で必死に練習する里緒。そして当日、羽宗のことを想う里緒の演奏は、つたないながらも、芸大生が演奏する意志をなくすほどすばらしいものだった。コンサート終了後、演奏を聞いていた日本音楽界の重鎮だという老人から、ウィーン国際音楽コンクールにでるよう勧められる里緒。彼女は自分のために、そして羽宗のために出場を決意するのだが…!? ●収録作品 おしゃべりなアマデウス