この漫画のレビュー

5.0
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3.0
2.0
1.0
3.54

15件の評価

5.0

3巻まで読みました

前作『ルポルタージュ』の正統続編にあたる本作。
前作では核となる事件とその当事者たちが主でしたが、本作は主人公の聖、そして犯人に大きくスポットライトが当たります。
また、物語のトーンも変わります。
次第に「第三者を記事にし公にすることの重さ、責任の大きさ」と本作の主題である「恋愛と愛情」へとシフト。

聖はルポライターとして件の事件の被害者たちの追悼記事を作成、新聞に載せていきます。
聖は「ルポルタージュを書くことが誰かの救いになれば」と思い、取材を続けていきますが…
本作はヒューマンドラマ的側面が強いです。
なぜ主人公の聖は笑顔を浮かべることもなく「マスゴミ」となじられながらも淡々と仕事を続けられるのか?
そして追悼記事を書く中で、避けては通れなかった"生存者の気持ち"の存在。
2巻半ばからは聖と生存者、犯人の心の内側の描写が深く描かれています。
生存者のインタビューは痛々しくて、自分でも絶対こうなるだろう、と思いながら読んでいました。そしてそれに向き合う聖の気持ちも計り知れないところがあります。
そんな本作のコアにあるのは「目に見えない"普通"、当たり前じゃない当たり前」
の怖さでしょうか。

登場人物全員に深く感情移入し、心がぐちゃぐちゃになりました。
前作で作者が問いかけた「人生に恋愛は必要か?」
読み終えた今、その回答は全くの月並みですが
「人生に恋愛は必要ないかもしれないが、人として生きる上で愛は必要不可欠だ」
だと思いました。

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