冬目景作品。 何作か読んでますが、ちゃんと完結まで読んだのは本作だけです。 というのも、氏の作品は不定期連載や掲載誌の変更が多く、次巻が出るペースも遅いためです。 本作も2000年2月に連載開始したのですが、不定期連載を繰り返し、開始から終了まで10年以上の時を経た2011年6月に最終巻が発売されました。 内容的にもスパンを置くとついていくのが難しくなるので、完結後作品を一気読みするには最適と思います。 舞台は大正時代半ば、帝都東京に事務所を構える「松之宮 遥」は優秀な私立探偵で、恩師の紹介から「高苑 真夜」という少女を助手に雇うこととなる。 探偵事務所に舞い込んでくる奇怪な事件を二人が解き明かすものとなっています。 時代考証ができていて、アインシュタインの訪日やウォレン・G・ハーディング大統領の死去、震災で倒壊する前の凌雲閣などがストーリーに絡みます。 また、ミステリーらしく衒学的な部分もあり、興味深く読むことができました。 真夜はワトスン役として必要十分で、作中、歩く広辞苑と比喩されるほどの深い知識を蓄えており、様々な場面でその知識が役立ちます。 ただ世俗には疎く、蝙蝠が縁起の良い動物であるということは知っているのに、皆が当然知っているような流行り言葉などを知りません。 ラストは、民俗学の研究者より稀人ではないかと言われた彼女の正体にスポットがあたったものとなっていて、切ない終わり方となっています。 私的にはちょっと無理矢理っぽいラストだった気がしました。当初からこのラストはプロットにあったのか。 内容は重いですが、全4巻と冊数は短いです。冬目景の入り口としておすすめ。
by うにたべたい (581)3.24
10
発刊: 2002.02.08 ~
完結・全1巻
新刊通知
a孵化する前のわたしたちは、とても壊れやすい。 ようこそ、少女(わたし)たちの聖域へ── 名作『雨の降る国』も収録!
身体に聖痕を持つ少年・武は、すべての時間と空間を支配するアートマン(選ばれし者)となる運命を背負っていた!? 膨大な史料に基づいた奇想天外な古代ロマン。表題作ほか「徐福伝説」を収録。
宇宙ステーションと隕石の接触事故で地球に落下した遺伝子が突然変異を引き起こす謎のウイルスによって人類が絶滅に瀕した。 ウィルスに対抗する為に地上2万mで水爆を大量に爆発させてオゾン層を破壊して 細菌を殲滅するという人類自決指令を発動させる。これによって地上・海上の人類・生物が全滅するが海の生物は助かることに。最後の人類に残されたのは実験海底都市「ブルーシティー」の科学者2万人と子供10人。 地球はオゾン層破壊に伴って南極の氷が溶け海面が30m上昇していくが、この一連の謎のウイルスは人類を水棲人化しようというドクター・ジェノサイトが放った病原体G7と判明する。海底に残された人類と水棲人類の戦いが幕を開ける。
3.03
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発刊: ~
通常版・他2作品
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