マッグガーデン×マンガボックスで贈る新レーベル・MAGBOX第2弾作品!「絵馬に生者を描いてはならない、連れて逝かれるから――。」伴侶を得ずに亡くなった者を弔うため、絵馬に架空の人物との婚儀を描き奉納する“冥婚絵馬(めいこんえま)”。そんな風習の残る田舎町へ転勤してきた小沼正一だったが、彼の日常は不気味な少女との出会いをきっかけに怪異に蝕まれていく。恐怖と混乱の中で頼った住職に彼が見せられたのは、絵馬に描かれた“自分”の姿だった……。死後婚の禁忌を巡るジャパニーズホラー、開宴。
全4巻完結。ずいぶん前に読み終わった作品ですが、コミスペ側が修正してくれたので更新。 現時点で、近年、ここまで雰囲気があって上手く畳めてこの作品を超えるホラー作品にまだ巡り会っていません。。 独身で亡くなった人に、異性の死者を充てがって死後の世界で幸福になってもらいたいという土地の風習が残る物語の舞台となる街。両者は絵馬に描かれ、寺に祀られます。 しかし、生者を充てがってしまうと災いが降り注ぐという曰くも…。 日本のホラーな民間信仰モノ好きには垂涎の作品。 ホラーとサスペンスをうまく混ぜ合わせてあって、粗はあるっちゃありますが、全4巻とコンパクト。少なくともこういう系の漫画で粗を突くのはナンセンスですよね。雰囲気を味わえるだけでお釣りがきます! ホラー漫画好きとしては及第点以上です。
by せーふぁ (1046)ボンクラどもに朗報です。ボンクラ仲間の中2男子・白根環が、実家のペットショップでいやいやは虫類の世話をしていたところ、その姿にひと目ぼれした女の子が出現。彼女のほうから「つきあってください!」って言ってきました! 彼女の名前は虻川さやちゃん、は虫類が大好きな超美少女。は虫類がもたらしたピュアな恋の行方にご注目。
爬虫類両生類が苦手な主人公の中学2年生男子、環くんと爬虫類両生類が大好きな同い年の美少女、さやちゃんの青春恋愛物語。 作者の月子先生の別作品『Shrink〜精神科医ヨワイ〜』から入り『彼女とカメラと彼女の季節』で胃がキリキリし、そして本作。 『カノカメ』とは全然違う漫画の描き方で正直びっくりしました。ハートウォーミングでニヤニヤしちゃいます。 月子先生の描かれる女の子は、まつ毛や瞳が可愛くて癒されますね。それに男女とも表情のタッチが優しくて、ほんわかします。 ストーリーは冒頭のとおり生き物を媒介にした青春モノで、中々見かけませんね。生き物をうまく使った恋愛の感情表現が面白いです。 さやちゃん家族のサイドストーリーも中途半端に終わっていなくて、爽やかな読後感でした。
by せーふぁ (1046)4巻☆5→5巻完結☆4 ちょっと上げすぎてた。5寄りの4。 高校生のボーイミーツガール。だけどきっかけが「歯」。 主人公の氷住はいわゆるガチャ歯で、常にマスクをしています。ヒロインの湯上は歯医者の家系。このヒロインの性癖が歪みに歪んでいて、主人公のガチャ歯を見ると「濡れる」、(性的に)「興奮する」。 直球でエロいシーンはひとつもありません。でも歪みきったヒロインの性癖がエグいぐらい響く(歯に)。 ヒロインが主人公の歯を磨いてあげるシーンとか、歯をじっと見るシーン。新ジャンルすぎます。 でも、しっかりボーイミーツガールとしてストーリーは仕上がっていて面白いです。 絵柄も個人的に好み。
by せーふぁ (1046)階下の暗闇に気配を感じるような、ドアごしの殺した息づかいのような、視界の隅に映りこんだ視線のような、ざらりとした質感、気分、戦慄。
エイリアンの胚を子宮に組み込み、特有の空間移動能力を駆使し敵国と戦争を続ける"妊婦"たちの超ハードSF戦記。 特殊すぎる世界観と人を選ぶ絵柄、全5巻のうち1・2巻はそれに慣れるのに費やすかもしれません。 "妊婦兵士"たちが戦うSFもの、これこそ女性作家だからこそ描けた物語でしょう。男では絶対絶対こんな世界構築できない。 子宮に得体の知れない生き物の赤子を組み込み"妊娠"させられ、強制的に戦場へ駆り出される。 現実世界でも座標空間世界でも戦い続けるWOMBS(妊婦兵士・転送兵)たちの肉体的精神的負荷はいかほどか。 主人公のマナをはじめ、上官軍曹やチームの仲間たちの戦いぶりや苦悩、そしてなにより、本来なら気持ち悪くて拒絶するはずの「エイリアン」に読み手も感情が揺さぶられます。 読み進めると、人外の生命体なのになぜ気持ち悪くないのか、その言うところがわかると思います。 圧倒的SFでした。
by せーふぁ (1046)