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発刊: 2003.05.02 ~
完結・全5巻
新刊通知
a兵頭舞は中学時代、周りからひどいイジメを受けていた。だが彼女は決して涙を見せず、イジメに屈することもなかった。そして中学を卒業し、自分で自分の責任がとれる年齢になったと自覚した舞は、固い決意を胸に秘めて立ち上がる。その決意とは、今は瓦解してしまった亡き父の組・関東兵頭組を再興させることだ。同じ頃、哲と呼ばれる酔いどれが街をふらついていた。彼はかつて関東兵頭組を背負う凄腕の極道だったが、今ではすっかり落ちぶれて、誰にも相手にされなくなっていた。そんな哲と、舞は久しぶりに再会する(第1話)。
●登場人物/無名のキャラクター多数。●あらすじ/30年わき目もふらず働いてきてやっと建てた新築の家に入居した日、通りすがりの人が下痢でトイレを貸して欲しいという。彼が帰ったあとを見るととても汚かった。それを見て逆上した父親は新築の家に火を付けてしまう。夜中にうなされて起きてみると、祖母の霊がいる。祖母はお墓参りに来てくれないこと恨んでいるようだったが、祖母は生きているはずである。やはりよく見ると、痴呆の祖母であった。家族全員で、祖母にまだ死んでいないと説明するのだが。天国ではお釈迦様が地獄に糸を垂らしている。芥川龍之介の「蜘蛛の糸」のように糸は切れる。お釈迦様達は逃した魚はこんなに大きかったと自慢し合う。▼第1話/まぜまじえごはんPart1.▼第2話/大人はわかってくれない▼第3話/小説版・天才アホ親父▼第4話/限りなく透明に近いピンク▼第5話/イート・エム・アンド・スマイル▼第6話/学舎よ永遠なれ▼第7話/時間よ止まれ▼第8話/哀しみ節よ海峡を渡れ▼第9話/抜け忍は今日もユウウツ▼第10話/タケトリアン▼第11話/ウルトラP▼第12話/マンが道▼第13話/デンワ急げ!!▼第14話/少年探索団▼第15話/青春に賭けよう▼第16話/恐怖がこわい▼第17話/W1[ワンダー・ワン]▼第18話/亡霊の山田荘▼第19話/狼たちの平和な年末▼第20話/下品な街角▼第21話/沖田は、メタル中国へ行く▼第22話/まぜじえごはんPart2.<BR>●登場人物/兄貴(暴力団の組員らしい)サブ(兄貴の部下)
●登場人物/九条有也(高3。大学受験を控える。ドラッグにはまっている。)浦里流香(高3。ドラッグで完全にいかれている。)火倉(カフカと呼ばれている。父親はシャブ中毒で死ぬ。)●あらすじ/いつも通り九条は、家庭教師の女とドラッグをやっていっていた。この社会に不満をもつ九条にドラッグで完全にいかれている流香が近づく。流香の手にしていたものは、固まった油絵を溶かす劇薬「ストリッパー」。シャブ中で父親を亡くしたカフカは、完全にラリっていた。そして、流香はカフカにも近づいていく。九条・流香・カフカの3人は東京ストリッパー作戦を決行する。ありとあらゆるものを溶かしていく。そこに仲間外れとなって激怒した滝は、カフカに間違ってストリッパーをかけてしまう。視界を失ったカフカと出会う九条は何を思うのか。
山田玲司の短編作品。1巻完結。 タイトルのストリッパーは、ストリップ劇場のダンサーではなく、油絵を描いたあとに飛び散った絵の具を溶かして掃除するための剥離剤のことです。 作中ではまるで濃硫酸かのように、かかったらなんでも溶ける劇薬みたいな扱いをしていましたが、実際はそこまで過激な薬品ではなく、ちょっとかかったくらいならば洗い流せば大丈夫くらいの液体です。 生きること自体に答えを見いだせず、家庭教師をシャブ漬けにしてセックスをする九条有也は、17歳、大学受験を控えた高校生だった。 美大を諦めて普通の大学を受験することを選んだはずなのに、なぜか焦燥感を抱え続ける有也の前に、同級生の浦里流香がストリッパーを持って現れる。 ジャンキーの流香は美術部員の2日かけて仕上げた作品をストリッパーでぐちゃぐちゃに溶かし、それを目の当たりにすることで高揚する有也の心を見抜く。 本書を読んだとき、私はまだ感受性豊かな少年だったため、ガツンとやられた気持ちになりました。 発売当時はまだ摘発はそれほど厳しくなく、ちょっと大きな街の裏通りに行くと、シーシャや紙巻き用のハーブが普通に販売されており、そういう裏店舗への憧憬を抱かせ、冗長させた意味で、罪深い一冊だと思います。 今読むととんでもない内容なのですが、あの頃は本作品内で繰り広げられるテロリズムに近しい反社会的行動が本当にかっこよく映りました。 大人になった今だから言えますが、本作を絶対に子供に読ませてはいけないと思います。薬物乱用はダメ。ゼッタイ。 分別がつく大人が読む分には問題ないですが、どちらかというと未だにモラトリアムな大人に読んでもらいたい作品だと思います。
by うにたべたい (525)