「殺人事件や拷問の方法など 人の冷たくデリケートな側面を渇望する 私たちのような人間は時に“GOTH”と呼ばれる」。この「GOTH」である「僕」と森野夜のふたりが、遭遇する猟奇的な事件を描く連作短編集。乙一による6話で構成される同名小説のなかから4話を選んで漫画化したもの。 <p> 「『小説のイメージどおりだ』という声がいくつも寄せられた」と原作者の乙一があとがきで書いているように、黒髪の美しい少女、森野夜のキャラクターに引かれる人も多いだろう。だがもうひとりの主人公、「僕」のキャラクターはさらに印象深い。いつも事件を解決に導く「僕」であるが、彼は決してヒーローになりたいわけではない。暗がりを見たいというその思いだけが、彼を突き動かし核心へと連れて行くのだ。 <p> あらゆるものの手を切断して冷蔵庫に保管する教師の話(「リストカット事件」)、人間を土の中に生きたまま埋めることに執着する男の話(「土」)など、苦手な人には耐え難い(好きな人にはたまらない)表現が続く。ビジュアルでは本書最大の見せ場ともいえる凄惨な死体の様子が描かれているのは、「暗黒系」。執拗なまでに丁寧に描かれたそれは、恐怖を忘れて見とれてしまうほどの完成度である。また、どの話にも必ず巧みな「裏切り」があって、謎解きのおもしろさも存分に与えてくれる。特に森野夜の過去の事件を描いた「記憶」には大きな裏切りが用意されていて、4話で完結するマンガ版の、最終話としてきれいに全体をまとめている。(門倉紫麻)
闇を走りカラテで殺す! 奥ゆかしいニンジャコミック! 舞台はネオサイタマ。ネオンの明かりと深夜の闇の狭間に散るのはカラテとスリケンの火花。 アイサツに始まり爆発四散に終わるニンジャの戦い! 全米初ツイッター経由のサイバーパンクニンジャ活劇がコミックで登場! 平凡なサラリマンだったフジキド=ケンジの日常は、唐突に終わりを告げた。 マルノウチ・スゴイタカイビルでのニンジャ同士の抗争に巻き込まれ、妻子の命は奪われ、自らも重傷を負う。 生死をさまよう彼に、何者かの声が囁きかける。「ニンジャに復讐せよ」と。 かくして、ニンジャソウルをその身に宿したフジキドはニンジャを殺す者=ニンジャスレイヤーとなって、復讐を果たすため闇を走る!