医者と患者の恋を繋いだのは、一匹の猫。猫(キミ)がいなきゃ、秘めるだけだった恋。「“病人”を診ずに“病気”を診よ」がモットーの医師、四月一日正直。そして病名を告知されたばかりの患者・吉祥てら。制限のある恋を繋いだのは、一匹の猫だった―― ちょっと切なくて、きっと愛しくて、かなり不器用な…… モフモフ・ラヴ・ストーリィ。
難病恋愛ものというベタな題材に、マンガの魔法をありったけかける。 コマを超えてページ全体の上から漫符や擬音が降りかけられる。 コマの接続で空間的距離を乗り越える。 同一空間での異なる時間軸の出来事が同時に展開する。 キャラクター・コマ・吹き出しの配置が連動する。 とにかくトリッキーな表現技法のオンパレードで、画面構成は実にアバンギャルド。 ただそれは実はかなり目的化されている。 時間を描く、時間を描き直すということに向けて。 結局、映画や音楽というものに比べて、マンガ固有のアドバンテージは、時間だけは好きにできるということなのではないかと思う。 物理運動の制約を離れて、内面の、感情の時間で物語を動かす。 それが目指すところは明白だ。描きたいことはひとつだ。 恋していた時間は、永遠なんだ。 なにかこの作品の良さを文章で表現することって無謀な気もしている。 マンガだけに表現し得るものを追求した作品だから。 マンガへのラブレター。 "その夜は、 引く波に立つ足の裏の、 砂に埋もれる感触みたいに、 上級者向けのゲレンデの、 コブの向こうの景色のように、 先生の、声の余韻が一晩中、 鳴り止まなくて眠れなかった。"
by 鈴木 (34)3.33
272
発刊: 2018.05.02 ~
完結・全1巻
新刊通知
a月島神社で舞巫女として神主とその式神・兎鬼(とき)と暮らしているお華。ケガをした神主の代わりに式神の兎鬼と二人でお江戸に蔓延る様々な怪異に立ち向かう事になり!?
272
発刊: 2016.02.29 ~
既刊1巻
新刊通知
aわたしの中を轟々と通り過ぎていく、いろんなもの達。 美人不動産屋に紹介されたワケアリ物件の秘密とは?(『くうねるところにすむところ』) ひとりの青年が義理の姉と過ごす奇妙な数日間。(『まちがいはありません』) 亡くなった祖母の家で少女が見つめる母子の関係。(『ちょきん、ぱちん、すとん。』) これら“おうち”にまつわる三部作を一挙収録。また、恋や性に揺れる思春期の少女を描いた物語群『あたたかい肩』、『青緑を飲み干す』、『サーフィス・テンション』なども収録。 俊英・雁須磨子がゆっくりじっくり描き溜めた珠玉の読切作品集。
その少年の名は百音(もね)。正体は男装した美少女だった――。 「なにものにも縛られず、自由に文學(ぶんがく)を愛する」、それが文學倶楽部。 だが、その倶楽部は女人禁制であった――。 「女」の自由に制約があった時代、なにをするにも「女のくせに」と咎められていた時代。 幼い頃から読書を好み、本を愛し、文章を書く喜びを知っていた少女・百音(もね)は、 長い髪をばっさりと切り、男物の服を着て倶楽部の門を叩いた。 「頼もう、僕を文學倶楽部に入れてほしい」……。 正体を隠し、仲間を裏切りながらも、自分の夢に向かってまっすぐ進んでいく"文學ガール"! 笑顔、苦悩、喜び、不安……、思春期のくるくる変わる少女の表情を鮮やかな筆致で描き上げる、俊英・天乃タカの最新作!