ひぐらしのなく頃に解 祭囃し編

竜騎士07鈴羅木かりん

3.54

2380

発刊:2008.12.22 〜

完結・全8巻

『ひぐらしのなく頃に解 祭囃し編(1)』巻の書影
『ひぐらしのなく頃に解 祭囃し編(2)』巻の書影
『ひぐらしのなく頃に解 祭囃し編(3)』巻の書影
『ひぐらしのなく頃に解 祭囃し編(4)』巻の書影
『ひぐらしのなく頃に解 祭囃し編(5)』巻の書影
『ひぐらしのなく頃に解 祭囃し編(6)』巻の書影
『ひぐらしのなく頃に解 祭囃し編(7)』巻の書影
『ひぐらしのなく頃に解 祭囃し編(8)』巻の書影
いかさまさん、他1人が読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.54

62件の評価

4.4

8巻まで読みました

「ひぐらしのなく頃に・解」4作目にして最終章、祭囃し編のコミカライズ。
前作では、ミステリーの枠をとっぱらってしまい、オヤシロ様や未知の病原体、国家的な秘密組織を登場させ、真面目に考察していた層を阿鼻叫喚させることになりました。
本作は完全にそれありきのため、過去作とは違い、少年少女の冒険活劇のような展開となっています。
"未知のウイルス"、"ヤマイヌ"と呼ばれる特殊部隊、突拍子もない話を訴える少女と、それを信じ行動する仲間たちが激突する物語です。
もはや惨劇ではなく、今までの物語を終わらせるためのクライマックスそのものでした。

第1巻表紙の少女は、幼き日の"鷹野三四"です。
鷹野三四の生い立ちから、入江京介、富竹ジロウの招待、これまでの鬼隠しの舞台裏が描かれており、かなり非現実的な内容ではあるものの、これまでの惨劇にまるっと説明がつけられているのは見事と思います。
雛見沢症候群という病について対策が示せていないのが気になりますが、本作でようやくハッピーエンドで終了していて、一作目製作時点でここまでプロットを考えていたとして紛れも無い名作と思いました。
圭一もレナも魅音も沙都子も梨花ちゃんも詩音も羽入も、かつて見せた表情は本作には無く、本作では未来を掴むためにみんなで協力して戦う前向きな姿が見られます。
これまでの作品を追ってきた身からするとその姿だけで非常に感動的で、同時に終わりが近いことを感じられ、寂しさもありました。

なお、中盤にある人物の頭を生きたまま開いて脳をいじくるという"猿脳"を彷彿させる禍々しいシーンがある他、序盤、幼少期の三四が壮絶な虐待を受けるシーンがあるなど、グロ・ホラーなシーンは本作でも健在です。
後半までは暗い展開となるので期待していいと思います。
なお、終盤、有名な"ひぐらしコピペ"のシーンがあるのですが、なんか感動しました。
コピペだけ見ると痛いセリフでしかないですが、一連の流れの中で読むと自然で、何より熱いセリフのように感じられます。
このシーンや、機関車富竹、入江京介の固有結界・メイドインヘブンのシーンは象徴的な名場面ですね。

メインストーリーは本作で終了ですが、コミック版はいくつかサブストーリーやオリジナルストーリーがあるので、そちらもあわせて読む予定です。

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