この世界の片隅に

こうの史代

3.96

4667

発刊:2008.01.12 〜

完結・全3巻

『この世界の片隅に(1)』巻の書影
『この世界の片隅に(2)』巻の書影
『この世界の片隅に(3)』巻の書影
ふろしきさん、他2人が読んでいます

あらすじストーリー紹介

平成の名作・ロングセラー「夕凪の街 桜の国」の第2弾ともいうべき本作。戦中の広島県の軍都、呉を舞台にした家族ドラマ。主人公、すずは広島市から呉へ嫁ぎ、新しい家族、新しい街、新しい世界に戸惑う。しかし、一日一日を確かに健気に生きていく…。

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この漫画のレビュー

一覧
5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.96

78件の評価

5.0

3巻まで読みました

太平洋戦争真っ只中の広島で、普通に生きる女性「北條すず(旧姓:浦野)」を主役にしたマンガ。
太平洋戦争開戦前に生まれ昭和18年12月広島市から呉に嫁ぎ、いろいろな理不尽を我慢しながら、それでも生活して生きるすずを中心とした、ありふれたとある一家のドラマが描かれています。
太平洋戦争で広島なので原爆投下の描写は不可避ですが、爆心地で人や町がドロドロ溶けるようなおどろおどろしい描写はほぼないです。
世界情勢に揺れ動かされながら、ただ、そんな時代を過ごしてきた物語です。

物語はすずの幼少期から始まります。
ぼんやりとしたところもあるが、絵が上手で想像力豊かな少女・すずは、海苔屋の家業を手伝いながら成長します。
やがて、太平洋戦争が開戦し、戦争が激化する中、すずの元に呉から縁談の話がきます。
流されるまま見知らぬ青年「北條周作」と祝言をあげたすずは、北條に入って、呉で新しい生活を始めます。
戦争マンガですが、作風はのどかで、空襲や親類が戦地に向かう描写はあり今の我々からすれば冗談じゃない日々が続くのに、毎話オチがあり、こういってはなんですが楽しく読めます。
堅苦しい教養マンガめいた戦争マンガとは違って、もっとライトに、だけどきちんと学べる作品だと思います。
大本営の会合や鉄砲を持った兵隊ではなく、描かれているのは非戦闘員から見た戦争の姿であり、思想めいたものは感じられず、当時の人々の生き方、あったであろう姿が描かれていると感じました。

時代考証がかなりしっかりしていると思いました。
当時起きていた事件や出来事、呉にあったであろう戦艦が描かれていたり、家庭で作られていた雑草や芋雑穀を主体とした食事、弾薬の種類や仕組み、傘問答、隣組など、毎ページ感心しきりでした。
当時の暮らしを知るための教科書として使えるんじゃないかと思えるほどの内容が充実していると思いました。
なお、本作は劇場版アニメも話題になりましたが、私的には断然原作マンガの方がおすすめです。
劇場版アニメもできはよかったのですが、当時の暮らしに関する小ネタは、アニメもがんばって盛り込んではいましたがやはりいくつかはカットされています。
枠外に小ネタとして書かれている情勢や戦艦の情報が読んでいて楽しかったです。
また、ラストは、アニメよりもマンガのほうが涙腺にきました。
アニメも良かったのですが、マンガの最後のシーンはアニメの比ではないくらい心揺さぶられました。
戦争如何を問わず、素晴らしい作品でした。

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