2008年05月19日発売
5巻
山田泰造(やまだ・たいぞう)が懸命に進めてきた、寺泊鉄道の電化工事がいよいよ完成しようとしていた。そんな時、松本雅代(まつもと・まさよ)を慕う仲居・千代(ちよ)から、泰造の政敵である代議士・渡一郎(わたり・いちろう)と杉村貴子(すぎむら・たかこ)の陰謀を知らされた泰造は……!?そして、雅代に最大の悲劇が起こり……!?太平洋戦争開戦の年、新潟の魚卸業を営む松本家に嫁いだ佐藤雅代は、陸軍の憲兵として中国に赴任した夫・周作の帰還を待ちわびるが、終戦後、帰国した周作は、戦争の悲惨な体験から精神を病み、酒に溺れた果てに夭逝。家族を養うため、古町の老舗料亭“柳亭”で働き始めた雅代は、仲居の天分を発揮、柳亭の顔として評判を呼ぶのだった。そんな中、若手政治家の山田泰造との出会いが、彼女の運命を大きく変えてゆく――