午前3時の危険地帯

ねむようこ

3.68

5209

発刊:2010.05.08 〜

完結・全4巻

『午前3時の危険地帯(1)』巻の書影
『午前3時の危険地帯(2)』巻の書影
『午前3時の危険地帯(3)』巻の書影
『午前3時の危険地帯(4)』巻の書影
うにたべたいさん、他2人が読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.68

120件の評価

4.1

4巻まで読みました

『午前3時の無法地帯』の続編です。
前作と同じパチンコ専門のデザイン会社が舞台で、主人公は、前作主人公の後輩にあたる「小倉たまこ」にバトンタッチします。
七瀬ももこを始め、前作登場のメンバーは引き続き登場します。
本作からでも問題なく楽しめますが、漆黒の職場環境がインパクト無く登場するので、前作から読んだほうが楽しめると思います。

主人公・小倉たまこは、父が勝手に履歴書を送ったデザイン会社・P-DESIGNで面接をします。
社会人経験無い上、面接でろくに受け答えできなかったのですが、突然入ってきた社長の鶴の一声で採用されてしまう。
パンツマンがうろつく女子には険しい職場に、試用期間の内に辞めてしまえと考えるのですが、社員旅行先がマウナ・ケア山と聞き、踏みとどまります。
結果、社員旅行は無しになるのですが、そのまま流されるように、仕事をこなしてしまうという展開です。

たまこは、色気なし、天然パーマでメガネスタイルで地味なキャラですが、面接をした堂本に憧れを抱いてしまう。
一方で、発注元のパチンコ店で出会った宮下に気に入られてしまう。
本人は恋愛からは一歩引いて過ごしていて、それどころではない業務多忙の中にいながら、いつの間にか恋愛の渦中に飛び込んでしまいます。
前作では極悪な環境の中でさばく仕事のやりがいや生き方がメインで描かれていて、恋愛要素はおまけ感ありますが、本作の主人公は引くくらい能力が高く、メインは恋愛になっています。
どちらの生き方がどうというわけではないのですが、個人的には、前作主人公のももこは暴走気味に感じ、読んでいてハラハラしました。
行動が理知的なのに振り回されるたまこがかわいらしく、本作のほうが私は好みです。
とはいえ、作品としての雰囲気は変わらないので、前作で良かった方は本作も楽しめると思います。

5.0

4巻まで読みました

シリーズ前作『午前3時の無法地帯』の舞台や登場人物はそのままに、主人公は新たに入社してきた地味眼鏡っ子。
すんげー面白かったです。『無法地帯』の登場人物たちの掘り下げはもちろん、主人公のアフターストーリーもナチュラルに見られました。
それよりも特筆すべきは、前作と本作の主人公の性格の違いでしょうか。前作のももこはイケイケどんどんのポジティブキャラ、対して本作のたまこはひたすら自己肯定力が低いネガティブキャラ。

個人的には、本作の主人公に凄く感情移入しながら読みました。だって、恋愛は一喜一憂するものじゃないですか。よっぽどじゃないと、ネガティブの割合の方が多いと思います。
物語の展開については、着地点が読めずに終始ハラハラしながら最後まで読みました。ネガティブ思考だからこその展開。
最終巻の「接続詞が踊る夜」というモノローグがたまこを表しているようで、印象に残っています。

あとがきにもありますが、「パチンコ専門のデザイン事務所」が舞台なんて発想できないし、登場人物たちも作者の元同僚がモデルだそうで、めっちゃリアルでした。ほんとに恋愛どたばたがあったかのような。

とっても良い作品でした。

1

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