花井沢町公民館便り

ヤマシタトモコ

3.76

3238

発刊:2015.03.23 〜

完結・全3巻

なーこさん、他2人が読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.76

60件の評価

3.3

3巻まで読みました

このレビューにはネタバレを含みます。

人災により、人が出ることも入ることもできなくなった町の話。
最後の1人がいなくなるまでの数十年、オムニバス形式で町の中の人の暮らしが描かれる。

悲壮感に暮れる話もあるが、そればかりではなく他愛もない日常回もある。

パンをつくって売る話が好きだった。
・パンの事教えてる人は、境界事故で店舗が潰れ、リハビリ中であることがわかったシーン。
・うまくパンが焼けて売りに行ったのに「配給あるから」と誰も買ってくれず、自分は仕事をすることもできないのかと涙する話。
・最後、自分で仕事をしてる人(コスプレ?コスチューム作るとか)に声をかけられ、フランクに買ってもらったり宣伝勧められたりするところ。
このへんが印象的だった。
自分で価値あるものをつくりだし、交換する。
そこに生まれるのは現象としての等価交換だけはでなくて、人としての喜び、感情の昂りがあるだなと。改めて。

筋肉男のバーベキューも何か良かった。
アクティブアホ筋肉と、近隣家族の優しさ。

小説家の話も印象的だったなー。
死をテーマに書く作家の誰も、死んだことはない。
私も花井沢町から出たことはないが、小説に触れるときは、海の音を聞き、龍を見て、宇宙の匂いをかいでいる。図書館はどこへでも行くことができる魔法のじゅうたん。

あと、基本的に女性キャラが主体になって話が紡がれるのだが、
男の登場人物は、
バカor害悪or無害(空気)
という感じのキャラしかおらず、ちょっとそこがウッてなった。

最後の1人に対して補償の話する時のセリフ、
「こちらも仕事ですので、お互い誠実に利益を追求できればと」
っていい言葉だなって思った。
冷静。

1

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