社長 島耕作

弘兼憲史

3.57

1111

発刊:2008.10.23 〜

完結・全16巻

『社長 島耕作(1)』巻の書影
『社長 島耕作(2)』巻の書影
『社長 島耕作(3)』巻の書影
『社長 島耕作(4)』巻の書影
『社長 島耕作(5)』巻の書影
『社長 島耕作(6)』巻の書影
『社長 島耕作(7)』巻の書影
『社長 島耕作(8)』巻の書影
『社長 島耕作(9)』巻の書影
『社長 島耕作(10)』巻の書影
『社長 島耕作(11)』巻の書影
『社長 島耕作(12)』巻の書影
『社長 島耕作(13)』巻の書影
『社長 島耕作(14)』巻の書影
『社長 島耕作(15)』巻の書影
『社長 島耕作(16)』巻の書影
うにたべたいさん、他1人が読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.57

31件の評価

4.4

16巻まで読みました

『島耕作シリーズ』六作目。
入社時から数えると、"ヤング島耕作"、"ヤング島耕作 主任編"、"係長島耕作"、"課長島耕作"、"部長島耕作"、"取締役島耕作"、"常務島耕作"、"専務島耕作"と積み上げてきたシリーズで、ようやくたどり着いた"社長島耕作"です。
団塊世代のサラリーマンとして社会の歯車に組み込まれそれを感受するも、上司の不正に加担することを拒否して嫌われ、手柄を横取りされ、良かれと思って行った行動により上司の顔に泥を塗り、絶対的ピンチで一夜を明かした女性に救われ、派閥を拒否して遠方に流され、尊敬する上司に引っ張り上げられ、その上司が死に、友人が死に、嫌っていた男とわかり合い、アメリカに行き、中国に行き、インドに行き、韓国に行き、いろんな出来事が駆け巡る上での社長就任なので、読む方としてもなんか胸がいっぱいになりますね。
なお、島耕作社長就任時には、各社新聞の社会欄に"新社長に島氏"という記事が乗ったそうです。
まさにビジネスマンのバイブル的存在と言えると思います。

専務編で五洋電器のホワイトナイトに成功した初芝電器は、五洋電器を傘下に持つ、初芝五洋ホールディングスになります。
島耕作はこのHDの社長であり、初芝電器は島耕作とともに郡山社長を補佐していた「松橋葉一」が就任しています。
マンガにする上で、わかりやすく描かれていますが、それでも文章量は多いです。
関連会社のMBO騒動や、中国の領海侵犯による政府の動向、それに関連するビジネスの展開、ストラテジーが真面目に描かれます。
おとぼけなシーンもありますが、課長時代のような仕事に女性関係は不可分な展開はなく、真面目に読むと相当時間がかかります。
常務あたりから難しい仕事の話は多少読み飛ばしてたのですが、本作からは飯のシーンもゴルフのシーンも、会話は全部仕事になっていて、仕事シーン読み飛ばすと読むところないくらいになっています。
読み飛ばさずにちゃんと読むと、テレビで流れる政経関連のニュースもわかった気分になってきますね。理解しているかはさておき。
今思えば、島耕作がガンプラ作ったり、アイドルのコンサートで武道館行ったり、趣味に没頭するシーンはなかったので、島耕作の人生とはすなわち仕事なんだろうなと改めて思いました。

社長編では前作以上に活発化した中国人の反日問題や政権交代などの大きいニュースが作中でも取り上げられます。
また、会議中に発生した東日本大震災により、初芝のビジネスにも大きなダメージを被ったが、そんなときだからこそ経済を活発化させるため戦う姿が描かれます。
ブランドを残すため社名を残していた初芝五洋も新会社「TECOT」に変更し、社長島耕作の大きな足跡の残した、激動の一作でした。

島耕作シリーズは社長編で終了の予定だったそうなのですが、本作ラストで島耕作は社長を退任し会長になります。
本作ラストで作者が唸るのですが、会長職は社長以上にマンガ的おもしろさを描くのが難しい役職の様子です。
大会社の社長ならまだしも会長を主役にしたマンガなんて島耕作くらいしかないと思うので、次回作も引き続き期待して読もうと思います。

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