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寺沢大介
3.00
591
新刊通知
発刊:2014.03.20 〜
完結・全4巻
14件の評価
うにたべたい
3.3
週刊少年マガジンに連載され2000年に完結した『将太の寿司』の13年越しに描かれた続編。掲載誌は週刊少年誌ではなくイブニングに変わっています。一応、青年誌に移動しましたが、特に内容が過激になったとかはなく、むしろ旧作の方が過激な寿司マンガでしたね。人ならざる技を身に着けた寿司職人たちがしのぎを削った前作に比較すると、荒唐無稽度は比較的大人しくなったように思います。主役は、旧作主人公たちの2世です。北海道小樽の実家の寿司店を継いだ関口将太の店に、佐治安人と柏手の安、武藤鶴栄が訪れます。現役寿司職人として腕を振るう将太に、全日本寿司協会の会長になって欲しいという打診をするためだった。だが、まだ修行中だという将太はその誘いを断り、息子の関口将太郎を育ててほしいと、佐治の店に託します。彼、関口将太郎が主役の一人ですが、佐治の店となった鳳寿司には、もうひとりの将太、佐治の息子、佐治将太がいました。基本的には佐治将太がメインのストーリーですが、中盤スポットが将太郎にもあたり、W主人公という形でストーリーが進む構成になっています。基本に忠実で、寿司調理の常識を崩さない関口将太郎と、自分の信じる調理法の方を信じる佐治将太。考えの違う二人の若い寿司職人は序盤、対立しますが、店にフランス人寿司職人のダビッド・デュカスが来店したことをきっかけに、日本の寿司を世界にしらしめるため佐治将太はフランスに渡ります。フランスで現地の人向けに作られた不思議な寿司を学び、文化の違いがあれど日本の寿司を味わってもらうために奮戦する。一方で、日本ではデュカスが銀座で立ち上げた寿司店「GENESIS」が盛況となり、常識を打ち破った寿司に対峙した将太郎たちが、寿司の未来を思う内容となっています。主人公たちも含めて異能者的な寿司職人は登場しません。また、旧作では寿司を食べたおじさんたちはみんなアヘ顔で絶頂してましたが、今作は審査員のリアクションもそこまで大げさではないです。フランスの風土、習慣を元に、彼らに受け入れられる"日本の寿司"を模索する、比較的まっとうな寿司マンガで、普通に楽しんで読めました。タイトルこそ"将太の寿司2"ですが、過去作からキャラは引き継いだ上で別タイトルの新作としてしまった方がよかったのではと思います。巻数は短く全4巻。おそらく打ち切り終了となったようです。序盤から旧作のキャラや設定が引き続き登場し、終盤では過去作キャラたちの二世が続々と登場します。そのため、旧作を読んでいる必要はありますが、終盤の寿司選手権は個人的には微妙に思いました。それよりもフランスでの将太の活躍がもっと読みたかったので、そこが残念でした。
H.ISHI
4.0
伝統に縛られてないか、生まれに縛られてないかを2人の翔太から問われているような内容。どんな寿司をつくるか、どんな生き方をするかは自分が決めること。寿司職人として、作法や知識よりも大切なのは、食べる人がどうやったら喜んでくれるか考え続けること。若者達が未来に向かって、エネルギッシュに突き進む姿に、色々と気づかされる作品。
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