幻影博覧会

冬目景

3.32

778

発刊:2005.01.24 〜

完結・全4巻

『幻影博覧会(1)』巻の書影
『幻影博覧会(2)』巻の書影
『幻影博覧会(3)』巻の書影
『幻影博覧会(4)』巻の書影
うにたべたいさんが読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.32

20件の評価

4.3

4巻まで読みました

冬目景作品。
何作か読んでますが、ちゃんと完結まで読んだのは本作だけです。
というのも、氏の作品は不定期連載や掲載誌の変更が多く、次巻が出るペースも遅いためです。
本作も2000年2月に連載開始したのですが、不定期連載を繰り返し、開始から終了まで10年以上の時を経た2011年6月に最終巻が発売されました。
内容的にもスパンを置くとついていくのが難しくなるので、完結後作品を一気読みするには最適と思います。

舞台は大正時代半ば、帝都東京に事務所を構える「松之宮 遥」は優秀な私立探偵で、恩師の紹介から「高苑 真夜」という少女を助手に雇うこととなる。
探偵事務所に舞い込んでくる奇怪な事件を二人が解き明かすものとなっています。
時代考証ができていて、アインシュタインの訪日やウォレン・G・ハーディング大統領の死去、震災で倒壊する前の凌雲閣などがストーリーに絡みます。
また、ミステリーらしく衒学的な部分もあり、興味深く読むことができました。

真夜はワトスン役として必要十分で、作中、歩く広辞苑と比喩されるほどの深い知識を蓄えており、様々な場面でその知識が役立ちます。
ただ世俗には疎く、蝙蝠が縁起の良い動物であるということは知っているのに、皆が当然知っているような流行り言葉などを知りません。
ラストは、民俗学の研究者より稀人ではないかと言われた彼女の正体にスポットがあたったものとなっていて、切ない終わり方となっています。
私的にはちょっと無理矢理っぽいラストだった気がしました。当初からこのラストはプロットにあったのか。
内容は重いですが、全4巻と冊数は短いです。冬目景の入り口としておすすめ。

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