2巻
海部、武藤が共に日本代表として派遣されているシカゴ五輪。プロ入り以来無失点を続ける海部は、もちろんこのオリンピックでも無失点を狙う。日本の予選リーグ初戦の相手は、強豪キューバ。0対0で迎えた4回裏、キューバの攻撃。武藤は、主砲ロドリゲスに対する海部の球に、本来の威力がないように感じた。マウンドに向かい問いただす武藤に、海部は「捕れんのかよ?」と口にする。高校時代の西東京予選決勝戦で、武藤は海部の剛球を取れずに後逸。サヨナラ負けを喫し、チームは甲子園出場を逃したからだ。だがプロのキャッチャーとして成長した武藤は、今度は海部の全力投球をしっかりキャッチ。ロドリゲスを三振に仕留める。