2巻
バイオリンを手にモンゴルから日本にやってきた花音(かのん)は、若き天才指揮者・三神(みかみ)が理事長を務める音楽学校に入る。だが強情な性格のせいか、他の生徒から孤立し、学校生活になじめない。また三神とも対立。彼女はドイツ音楽界を牛耳るローエ家の未亡人の愛人でありながら、その娘と婚約し、学校の女教師とも情事を重ねる野心家の三神が気に入らなかった。権力欲ばかりで、音楽を愛していないと、彼をなじる花音。だが音楽界という、食うか食われるかの世界に生きる三神のリアルな言葉の前に、自分の音楽観が大きく揺らぐ。そんな中、花音は学内コンサートで、三神の指揮で「カルメン幻想曲」を弾くことに!?