2巻
「舞台に上がるのは、理想のかっこいい女の子――」
百瀬天花(ももせ・てんか)・高校1年生。
学校の成績がよくて、ビジュアル最強、ダンス部では1年生ながらセンターに立つ。
天花が誰にも羨ましがられる存在=ガールクラッシュ(女子が憧れるかっこいい女子)になったきっかけは、小学生の頃。
母親が不倫して、相手の男と一緒に失踪したのがクラスで噂になってしまい、ハブられていた天花は、いつも一人で行動していた。
そんな折、クラスメイトの湊晴海(みなと・はるみ)くんが、声をかけてくれた。
人気者の晴海は、天花の家庭環境など気にせず、フラットに付き合ってくれる。
天花はいつしか、その優しさに惹かれ、次第に晴海が好きになっていく…。
そこからは勉強も、部活も、すべて一生懸命やって、中学では彼女も人気者に。
そしてパーフェクトに成長した天花だったが、恋にだけは奥手で、晴海に思いを伝えられずにいた――。
高校生になって、ダンス部として文化祭が近づいてくるなか、天花は、部活の仲間と屋上へダンスの練習へ向かう。
その途中で出会ったのは、地味でパッとしない、佐藤恵梨杏(さとう・えりあん)だった。
恵梨杏は、K-POPにかぶれていて、新大久保でバイトするほどだった。
大好きなアイドルグループは、ブライトローズ。
ブライトローズのリオナに憧れて、自分もK-POPアイドルになるために、独学で歌とダンスを練習し、韓国留学を計画していた。
そのバイト先では、晴海も働いていて、仲良さそうな2人の姿を見てやきもちをやいた天花は、恵梨杏を焚き付ける。
天花、恵梨杏、晴海の3人で、カラオケに行くということになり、いざ、ブライトローズの曲を歌う恵梨杏だったが……。
――きっかけは、恋。
――きっかけは、憧れ。
天花と恵梨杏、2人の強い思いが、交錯する。
巷で大流行するK-POP――
日本の女子高生たちの青春は、K-POPアイドルの夢に向かって動き出す!!