きゃないん
5.0
いのりのリンクに賭ける執念は。ひたむきな想いは。夢を追いかけている人。夢を諦めた人。夢を探している人 。いずれにもド直球で響きます。その熱に司は突き動かされ、その涙に僕の心は大きく揺さぶられました。いのりにとってスケートは存在証明であり、自己表現であり、人生を懸けた夢でもある。その熱量と情熱は読者を傍観者のままでいることを許さない。いてもたってもいられなくなるんです。僕は正直悔しいとさえ思いました。彼女の夢に懸ける覚悟を前に、自分の覚悟の、想いの薄っぺらさを思い知りました。僕は何をやっているんだと自分に対する怒りすら湧いてきましたよ。対抗心をメラメラ燃やし、負けたくないと、真剣にそう思いました。悔しいのは夢の残り火がまだ心の中に残っている証拠。あの涙に、あの笑顔に、まんまと焚き付けられました。諦めるのはまだ早い。僕はまだリンクに傷跡すら残していないぞ。内から沸き上がる衝動と情動を抑え切れません。こんな気持ちがまだ自分に残っているだなんて夢にも思いませんでした。この興奮と感動と高揚感をぜひ皆さんと共有、共鳴、共感、共体験したい。この作品は本物です。ガチのマジで令和一お薦めの作品です!
メダリスト
レビュー(364)件
既刊12巻