吾峠呼世晴短編集

吾峠呼世晴

3.40

3585

発刊:2019.10.04 〜

完結・全1巻

『吾峠呼世晴短編集(1)』巻の書影
うにたべたいさん、他2人が読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.40

93件の評価

4.2

1巻まで読みました

タイトルの通り、鬼滅の刃の作者、吾峠呼世晴氏の短編集。
全4作の短編が収録されています。
1作目のみマンガ賞への応募作品、他の3作が雑誌掲載された短編で、いずれも鬼滅の刃より前に描かれた作品となります。

1作目"過狩り狩り"で吾峠先生は集英社のマンガ賞で佳作として受賞しました。
"過狩り狩り"は鬼滅の刃と似た世界観の作品で、西洋人風の風貌の吸血鬼を、3人の鬼が協力し倒そうとする話で、最終的には"鬼狩り"と呼ばれる盲目の男が倒します。
この3人の鬼の内2人は珠世と愈史郎で、鬼滅の刃登場の2人と容姿、関係性共に同一です。
また、"鬼狩り"の男が振るう刀には"悪鬼滅殺"と刻まれており、鬼滅の刃の源流を感じることができます。
ただ、最初期の作品ということもあり、ストーリーはちょこちょこ過去に飛んで分かりづらく、読みやすい作品では無かったです。

2作目の"文殊史郎兄弟"は、虫を操る暗殺者兄弟が主役の短編で、結構グロいです。
主人公の兄弟はどう考えても少年漫画の主人公タイプではなく、兄は人間味がなく体内に虫を飼っていて、弟は頭イカレポンチでこちらは虫に変身する上、脱皮もします。どう見ても怪人。
ストーリーは依頼を受けた兄弟が、厳しい条件で目的を達成する分かりやすいものですが、異色な作品だと思いました。

3作目"肋骨さん"は、人の気持ちや感情が文字や形で見える不思議な人物で、温かな気持ちが大好きな良いお兄さんです。
でもやっぱりなんかちょっとおかしい感じでがするのは、吾峠先生らしいと思いました。
浄化師のアバラと名乗る彼は、道に落ちている負の感情を辿り、事件の渦中に飛び込むことになる展開です。
個人的には4作中で本作が一番好みです。

最後の作品"蝿庭のジグザグ"。
異常に多い首吊り自殺の調査依頼を受けたジグザグという京言葉の青年が、不思議な力でその原因を突き止めるというストーリー。
本作に限らずですが、吾峠先生の作品は独特の世界観、舞台設定の上で、人間的にどこかおかしい、一癖あるキャラクターが活躍する様が描かれています。
鬼滅の刃の片鱗を見せる作品だらけで、鬼滅ファンはチェックすべき短編集と思いました。
どの作品も面白かったです。おすすめです。

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