この漫画のレビュー

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1499件の評価

4.2

細かいことは読んでほしいからこそ書かないが、創作に携わる全ての人に読んでほしいと思える作品だった

私は学生時代にデザインを勉強していて、作者や矢口と同様に美大受験を経験し、今は卒業してデザイン関係の仕事をしながら趣味で絵を描いている
画塾で浪人生の作品を見てその実力差に絶望したり、画材にお金を根こそぎ吸い取られて財布がスッカラカンになったり、あぁ懐かしいな〜なんて思いながら読み進めていた

芸術は理解されにくいし、しにくい
美大に受かるために絵を描くわけじゃない
でも受かりやすい手法があるなら縋りたくなってしまう
だって正解が存在しないから
何かを感じたから、伝えたいから絵を描く
これ以上ないくらい上手く描けた!と思っても、本当に伝えたいメッセージが届かなかったりする(伝わらなくても知るか!自分が描きたいように描くだけだ!みたいな人もいるけど)
絵が全く描けない人からしたら「こんなに描けたら楽しいだろうな」と思うかもしれないが、そんなことはない
絵を描く人にしか分からないだろうけど、ドス黒い沼に首まで浸かってる気分になる
私がもし、レオナルド・ダヴィンチの全知識を手に入れたとしても、この苦悩からは生涯離れられないと思う
手詰まりした時に読み返すと、あぁこうして悩んでいるのは私だけではない、創作に関わる人間は誰しも躓くところなのかもしれない、と勇気をもらえる

店頭で見かけたんだったかな、どこでこの作品と出会ったかは忘れてしまったけれど、インパクトのある表紙で良かった
この作品を手に取ることが出来て良かった

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