虐殺ハッピーエンド

宮月新向浦宏和

3.45

4128

発刊:2017.09.19 〜

既刊8巻

メモ魔さん、他2人が読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.45

100件の評価

3.4

8巻まで読みました

人殺しで人を生かす。その矛盾に解を見出そうと踠く青年の話。

自分がこの世に生きても良い理由を主人公が探し続ける話だった。俺にはそう見えた。
妹を救う為には人を殺さないといけない。でも殺しはしちゃいけない事だ。だから、せめて殺しても咎められない人間を殺そう。でもそんな人間にも家族がいて、幸せな家庭があって、それを壊す権利は自分には無い。そこまで分かっていても、自分は誰かの為に戦ってるからまだ真っ黒じゃ無い。そう言い聞かせ続けた主人公に人間の限界を見た。

誰かを幸せにする度に誰かが不幸になっているって構図は、度合いが違うだけでリアルな日本でも往々にして行われている事で、全く無関係な話でも無いなと思った。飲み会で騒いでるやつの1番遠い場所で苦笑いしてるやつをごまんと見てきた。それと根っこの部分は変わらない。誰かが我慢をして誰かが好き勝手やる。それをそうじゃ無いかのように見せるのが上手いのが人間だ。

1番印象的だったシーンは、主人公を心配する姉さんに対して主人公が
[次顔を見せたら殺す]
って言い放つシーン。どこか記憶の蓋がふわっと浮いたようなそんな気持ちになった。誰かに心配して欲しいのに、構われると跳ね除けたくなる。構われたいのに、人と話したく無い。そんな矛盾を抱えている時は決まって[解が無い問い]にぶつかってる時だ。誰も俺が何に悩んでるかも知らないのに、表面的に心配する。自分ですら自分が何に悩んでるか言語化できないのに、それに対して[大丈夫?]なんて聞いてくるなよ。気を遣うより自分をもっと知ろうとしてくれ。そうやって気遣う事で、お前の心が安らぐのをお前が喜んでいるだけなのに、それに俺を巻き込むな。そんな事を考えてた時代を思い出した。堕ちたいと思ってる時に堕とさせてくれない人はいつだって1番イラつくのに1番大切な人なんだなって思った。

総評
大切な人の為に自分の大切なものを擲つ。それって結構簡単な事だけど、誰かの幸せを奪って踏み躙ってまで自分の望みを叶えようとする心には抵抗がある。その抵抗を穿つほどの活力、その人の為を思う気持ち、そのどちらもが無限に大きいから、溢れた感情はどす黒く主人公を染めていく。そうやって黒く染まった人間の行先をこの作品で見ることができる。面白い作品だったけど、どうして?なんで?って引き込んでくるような展開が無かった、、のは個人の好みの話だから置いといて、涙が流れるような心を打つシーンは少なくとも自分には無かった。多分、自分の思う[殺し]って言うのが漫画10巻使って一人殺せるかどうかってくらいのボリュームの話で、何十人も死んでいく中で主人公の心が自分の予想の地平線に無さすぎたのが問題。共感できるスペースに主人公がいなかった。現実離れしすぎるのもまた共感を呼びにくくする要因になるのかな〜漫画って難しい。

------各巻乾燥------
1巻
殺しをする事で日付が進み、日付が進む事で妹の手術日へ一歩近づく。
自分の望みを叶える為に莫大な犠牲を払い、自分の望みを叶える為に他人の希望を踏み倒す。
人間は集団で生活する生き物だけど、危機に瀕した時の判断基準はあくまで[自分中心で考えた時に]が大前提だ。現代日本はその危機に晒されていないが、いつかそんな時代が来た時、お互いが互いの生を正当化しようと殺しを行う世界がきてもおかしくないのかなと、そんな事を考えながらこの作品を読んでみる。

2話
いや最後に出てきた女の子顔怖すぎやん進撃◯巨人かとおもたわ。

明日とか、未来とか、そんなのあったって結局辛くて悲しいだけなのに、それを望む人間が周りにいるだけで不愉快。そんな事思ったのが学生時代にあった。この作品を見てると、その記憶をスプーンで掬い上げられるようで辛い、と同時に、俺は恵まれてたんだなと再認識させられる。環境が環境なら自分はどこまでも落ちた気がする。

4巻
殺人とタイムリープの両方を目撃するってあれか。まじか目の前で殺させるって事か。すげーなこの刑事さん笑 いかれまくり。

殺人を犯す理由がどんどん軽くなっていって、理由なんて妹を救うのただそれだけで十分ってところまで来てる。最後の最後で妹を殺すみたいな展開になったら人間の愚かさを描く面白い作品になりそう。一方で自殺とかも面白いかな。1番ふつーなのは、姉ちゃんが殺される事。

3.5

8巻まで読みました

このレビューにはネタバレを含みます。

2021/07/22、8全巻nt。内容しっかり絵キレイで面白かった。暇だしちょこっとだけ読もーが、どんどん展開あって内容進んでこの呪いの謎が気になって、つい手が進んだ、で結局全巻。SF設定と狂った殺人鬼でデスノ系だけど緻密さはデスノのがやっぱ上かなーあっちのが深い。けどこれも充分面白かった。
男子高校生草壁まこと。母親出てって父親酒で狂ってDVなって、病気になった妹しおりの手術費のためにバイトしてたが、ヤンキーに絡まれたり父親に金使われたりで神様を恨んだら、まことと妹だけが同じ日をタイムリープして明日に進めるためには殺人しなきゃな呪いがかかる。妹の手術日まで進めるためにまことは殺人をする。前半は、強姦するクラスメイト殺したらその女が惚れてきて狂って幼馴染や妹を殺しかけたり、父親が借金のために妹に保険金掛けてて知って殺したり。後半は警察に追われて逃げてをやってて。最後呪いのことが明らかになる。兄側の呪いは人を殺すことで1日進めれる、妹側はそいつを殺すことで呪いが解除されること。まことはしおりに殺人出来ない、となり、実妹(しおりは義理妹。途中で明かされた。)に殺させた。で主人公死亡で実質話は終了。その後他の登場人物が実はまだ呪いは終わってないかも⁉︎的な余韻残して匂わせで終了。

12

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