大学に入学したばかりの濱口は、構内に飾ってあった卒業生の写真に目を奪われる。その日の夜、カメラについて調べていると隣室から聞こえてきた叫び声。心配に思った濱口が隣室を訪ね、部屋にいる虫を逃がしてあげると、隣人はお礼とともに「神(じん)」と名乗った。濱口が部屋にあったカメラを見ていると、それに気づいた神が「カメラに興味ある?」と問いかけてくる。大学構内で見かけた写真をきっかけに興味を持ち始めたと話す濱口に、「もう使っていないから」とそのカメラを譲ると言い出す神。遠慮しながらも受け取った濱口の表情は淡々としていたが、カメラへの好奇心で目が輝いていることに神は気づいていて――。※電子版はmimosa本誌掲載時のカラーページをカラーのまま収録しています。
発刊: 2018.06.27 ~
既刊1巻
新刊通知
a特撮ヒーローの金字塔「仮面ライダー」の石ノ森章太郎が生み出した“時代劇版ライダー”ともいうべき変身ヒーロー「変身忍者嵐」をアクションの名手“にわのまこと”がコミカライズ!! 戦国時代に炸裂する、こだわり抜かれた変身ポーズからスーパーアクションまで存分にお楽しみください!! 己が身を鳥人“変身忍者・嵐”に変え、血車党壊滅を使命とするハヤテ。縁あって徳川秀忠の命を救うことで、真田氏の居城・上田城に潜む血車党の存在に気がついたが……… 上田城のあるじである真田昌幸はすでに血車党旗下・化身忍者マシラの術中におちいっており………
発刊: 2019.03.13 ~
既刊1巻
新刊通知
a時は明治から大正へ。柔侠・柳勘九郎は時代の荒波に揉まれながらも、まだ見ぬ大陸の地へ思いを馳せる。挫折、死闘、出会いと別れ、疼く未練…… 猛き血あれど、情けあり。「今」を生きる全ての人に。バロン吉元の最高傑作が蘇る。<特別収録> ・「本書刊行に寄せて」バロン吉元 ・初公開の描き下ろしを含む、カラーイラスト10点&墨絵4点 <作品解題> あがた森魚/荒俣宏/かわぐちかいじ/草森紳一/栗原良幸/佐藤信/鈴木邦男/鈴木敏夫/竹宮惠子/前田日明/山下裕二/夢枕獏/四方田犬彦 ●雑誌掲載時のカラーページを再現。画業60周年記念 新装・新編集版 『柔侠伝』の連載開始と共に幕を開けた1970年代。同作の誕生から半世紀となる2020年を目前に控え、リアルタイムで連載を読んでいた鈴木敏夫(スタジオジブリ・プロデューサー)は下記のように述べている。「自分のベッドの傍に置いてある本の中で、漫画はバロンさんの作品だけです。自分の生きるスタンスをどこに置くべきか悩んだ時期に『柔侠伝』に描かれている生き方が大きなヒントになりました。ヤクザも学生も夜の女たちも、皆が同じ空気を吸っている。世界が分断されていない。その中で主人公が見せるリアルな明るさというのは、『前向き』というのとは違って、いつも『今、ここに生きている』姿です」 作中では理不尽と不条理の渦巻く社会の矛盾が色濃く描かれる。その中で主人公の柳勘九郎は、時に信念を貫き、時に揺らぎながら生きていく。多情多感、義侠心の強い彼の精神はバロン吉元の美学に基づいたもので、学生運動の盛んであった連載当時「右も左も、真ん中も読んでいた」と評される本作。そこに描かれる個性豊かな人々の生き様は、70年代を代表するヒット作品として多くの読者の共感を得、その人生観に多大な影響を与えてきた。日本を取り巻く情勢や、暮らし、流行など、様々な様式は当時と現代とでは大きく異なる。しかし、多くの人が生きることに困難を感じ、先の見通しが立てられない現代においてこそ、主人公・柳勘九郎が魅せる「今、ここに生きている」姿は更に輝きを放つ。今、この時代に新装版として蘇った本作は、単なるノスタルジアではなく、“平成のその先”を手探りで迎えようとしている我々にとって「新たな出発点」となり、同時に世代を越えた「回帰点」となるだろう。本作が多くの人にとって頼もしい道しるべとなり希望の灯となることを願う。