16世紀、数万人が迫害を受けて死んだ“魔女狩り”。その狂気の時代に魔女と断罪された人々に寄り添い、医療の力で救おうとしたひとりの医師がいた──。精神医学の先駆者でもある実在した医師、ヨーハン・ヴァイヤーを描いた歴史ドラマがついに書籍化!
中世ヨーロッパ。現代医学とは対極の、魔女狩りが常識として行われていた時代。 "常識"ほど、不安定で移ろいやすいものはないでしょう。それが本作を読むと痛いほどわかります。 現代医学の礎の裏には、戦争がありました。失敗無くして成功はありません。 魔女狩りも、精神医学が発達していなかった中世の頃、更年期を迎える中年女性を中心に行われました。 自失状態や錯乱状態にあった彼女たちを「魔女」と呼び、その多くは火あぶりにかけられました。 人は、わからないものには無理やりでも理由をつけて安心したい性分なのでしょう。 そんないわば魔女の烙印をおされた人々を救った実在の医師、ヨーハン・ヴァイヤーの半生を描いた作品。 淡々としたテンションですが、それがかえって小気味良かったです。
by せーふぁ (1049)大正十四年(一九二五年)、桜舞う春に作家を志す23歳の文学青年・小林秀雄は上京してきたばかりのまだ18歳の詩人・中原中也と運命的に出会う。自意識の殻に閉じこもり、創作の迷路に入っていた秀雄に衝撃を与えて、彼の生きざまを根っこから変えていく中也… そして中也には同棲する一人の女・長谷川泰子がいた―― 事実を基にフィクションを交えて描き出す、文学に人生すべてをかける中也と秀雄… 『彼女とカメラと彼女の季節』月子が描き出す! まだ無名だった二人の切なく物狂おしい物語が今、ここに始まる…!!
早熟の天才詩人、中原中也とのちの近代文芸評論(作品を批評するだけでなく、文学史そのものの研究や作家と作品の研究も含み、守備範囲はとても広い)の確立者とされる小林秀雄の人間ドラマ。 恥ずかしながら詩を読んで味わえるような感性を持ち合わせていないので、物語とともに中原中也の詩が綴られても、どう読めばいいのかわからなかったです。 これはすごいんだろうなとはもちろん流れでわかりましたがそれ止まり。。 むしろ、中原中也と小林秀雄の天才どうしの出会いやさまざまな葛藤といった人間ドラマの方に惹かれました。 この文学者特有の苦悩や葛藤は、今の私たちにはあまり理解し難いものかもしれません。 例えば、芥川龍之介や太宰治といった文豪がこの苦悩や葛藤の末に自殺を遂げたのは、現代の私たちが考える「自殺」と彼らの考える「自殺」には大きな考え方の隔たりがあったのが要因とされているそうです。 実際に自殺に至ることはなかった中原中也と小林秀雄。もっとその前の、当時の文学者としての苦悩や葛藤を、月子先生の柔らかい作画で読むことができ、楽しめる。 その点で凄く入り込めました。ウィキペディアで彼らのその後を読むと切なくなります。 作品としては打ち切りエンドだそうですが、それでも面白い。味わい深い作品ですね。
by せーふぁ (1049)3.06
580
発刊: 2019.08.08 ~
完結・全3巻
新刊通知
a数万分の一、あるいは数十万分の一。それは拝み屋という職業が実際に怪異に出会う確率だという??。第5回『幽』怪談実話コンテストで大賞受賞。実話系怪談の最高峰として高い評価を受けた作品を完全コミカライズ!東北で実際に拝み屋業を営む原作者が体験した、驚異の怪異譚!!
自分に自信が持てない女子高生ファン×同級生トップ女優の歪(いびつ)なカンケイ中学2年生の冬。街で見かけたポスターに写った黒髪の少女・名雪澄花に一目ぼれをして、以来憧れの存在として彼女の追っかけをしていた日向いと。けれど高校生になったある日、澄花と出会い、自分を支えてくれていた理想の澄花との乖離にショックを受けたいとは…「私が あなたを 作ってあげる」
3.13
430
発刊: 2017.12.12 ~
完結・全3巻
新刊通知
a引っ込み思案な残念美人の山吹葵は、 青い目がコンプレックスの高校一年生。 売れっ子小説家の姉・皐(家ではズボラ)と 二人で暮らしている。 とあるきっかけで、外国人の少女、 サラ・フローリーと同居することになった葵たち。 そんな山吹家の毎日は……? 新鋭が豊かな筆致で紡ぐ、毎日のささやかな幸せ。 読めばほっこりすること間違いなしのハートフルホームコメディー
予測不能のスリルライド・ファンタジー、開演!!!! 記憶をなくした“ぼく”が迷い込んだ大きな屋敷。そこに現れたのが、かろんと名乗る小さな女の子。仲良くなった“ぼく”とかろんは一緒に暮らし始めるが、その屋敷は謎だらけ。身の回りで起こる奇怪な事件に違和感を覚え、記憶を取り戻そうとする“ぼく”。そして、ある恐ろしい真実に辿り着く……。
魔女と、その見習い達が平和に暮らす盃島。始祖である「焔の魔女」を称える300年祭の夜、島は謎の巨大浮遊物による攻撃を受け、炎に包まれた。生き残ったのは、ロロアをはじめとするわずかな見習い魔女達だけ。頼れる大人がいなくなった今、存在するかどうかもわからない「焔の魔女」に救いを求めて、見習い魔女達は旅立ちを決意したが…!? 『宇宙よりも遠い場所』コミカライズで注目の著者による、本格ファンタジー第1巻!
発刊数の誤情報について、コミスペサポートセンターさんの対応早くて嬉しいです。 ある日突然故郷を無くした15人の見習い魔女たちと、伝承に伝わる焔の魔女、そして魔女を憎む人間たちのダークファンタジー。 魔女たちが住む大きな浮遊島、盃島。 プロローグ時点、伝説の魔女・焔の魔女の誕生300年祭の日に災禍に見舞われ、多くの魔女が死んでしまいます。 残ったのは主人公ロロアを含む15人の見習い魔女たち。「島の外へ出ると魔力が使えない」という言い伝えを破り外界へ出ると、そこには魔女を憎む人間たちがいました。 世界観と設定が凝っていて惹き込まれました。 3巻完結で無駄がなく、起承転結が明快です。 作者さんの次作を読んでみたいと思いました。
by せーふぁ (1049)3.17
320
発刊: 2016.08.13 ~
通常版・他1作品
新刊通知
a祝! ファン待望の全話単行本化! 『アマイタマシイ ~懐かし横丁洋菓子伝説~』は2012年から2013年にかけてコミックス4冊分の連載を行いましたが、3、4巻は刊行されず、長い間ファンからは全巻の刊行が望まれていました。 このたびコミックス4冊分を、全3巻の新装版として新たに編纂し、刊行致します。 全話初の単行本化。 各巻、描き下ろしページ収録&カバーも描き下ろし! ▼内容紹介 きっかけは、幼い頃に夢中で食べたあのケーキ。 スイーツ好きで意気投合した羽衣と賀句は、天才パティシエ・熊谷周作シェフを口説き落とし、共同で洋菓子店を経営しようと決意した。 しかし、シェフは恐るべき超変人だったのだ…!! 材料費を惜しまぬ熊谷シェフの方針で、店の経営状態がみるみる悪化していく。 そこへTV番組のスイーツ対決出場の話が舞い込む。 店の宣伝を目指し、出場することになるが、対決相手たちは強者揃い! 果たしてスイーツ対決の行方は!? 一方、洋菓子店の繁盛のおかげで活気づいてきた商店街には、不穏な影が忍び寄っていた…。 杉本亜未先生の傑作コメディ、初の全単行本化!