アフタヌーンさんの作品の書影

アフタヌーン

作品数:278

13,587

3.9

14巻まで読みました

『宝石の国』を読了しました。
この作品は、心えぐる鬱展開が話題で、単作が多い市川春子氏の初の連載作品で、ワンクールアニメ化もされています。
人間と呼ばれる生き物が古代と呼ばれる時代に存在したとされる遠い未来を舞台に、そこに生きる宝石の生命体たちを描いたファンタジーです。

登場するのは宝石の擬人化のようなキャラクターたちであり、人間は登場しません。
彼らは人の形をしており、人間と同様に会話し、軽口をたたいて日常生活しています。
宝石の名を冠している通り、体を構成する無機物の特性を受け継いでおり、シンシャは毒物を含んでおり、硬く黒いボルツは頑丈故に前線で敵と戦います。
宝石たちには敵がいて、月人と呼ばれる襲来者が度々月からやってきて、宝石たちを攻撃し、そして拐ってゆこうとします。

そんな宝石の国の主人公は、フォスフォフィライト。
彼は硬度も低く、得意なことも特にないため、仲間と違い役割を与えられないことに不満を抱いていましたが、根拠のない自信を持ち、明るく過ごしていました。
ある日、宝石たちの指導者である金剛先生は博物誌作成の仕事を彼に与えます。
しぶしぶその仕事をこなしていると、ある晩、月人の襲撃があり、夜の見回りを担当をしていたシンシャに助けられます。
美しい宝石たちによる未来世界のファンタジーですが、鬱展開と呼ばれるのは、主人公であるフォスフォフィライトが直面する悲劇的な運命のためですね。
フォスは仲間たちのために奔走し、足を失い、腕を失い、そして頭部を失うのですが、自分の体が入れ替わってゆくたびに少しずつ自我が変化していきます。
そして月へ赴き、月人や金剛先生の真実を知ったフォスは、仲間のもとに戻りますが、そこで悲しい誤解が生じます。
結果、さらに大きく欠損してしまった彼は、ついに崩壊をしてしまう。
身体が崩壊し、眼球が飛び出るようなシーンは多くありますが、ビジュアル的なグロさはほとんどなく、主人公のはずのフォスの不幸が際立つ作品です。
最終的には長い長い時間が経過し、最期のときが来てもフォスはフォスであった、その名残があったように思える悲しい結末でした。

絵はきれいなのですが、かなり読みにくさがあります。
ストーリーもやや複雑で、理解していてもなぜそうなるのか理由の把握が難しいシーンも多いです。
キャラクターも個性的なのですが、数がそれなりに多く、何度か読み返す必要があると思います。
ただ、一言で鬱展開と言う以上の深いストーリーがあり、ファンが多く話題になるのもうなづける壮大なサーガでした。

宝石の国

レビュー(533)件

完結・全14巻

みさんのアイコン

mtakuya2
8ヶ月前

4.6

12巻まで読みました

メダリスト

レビュー(427)件

既刊12巻

4.6

12巻まで読みました

前作で、複数の少年少女を主人公として地球を舞台に戦うロボット漫画"ぼくらの"を描いた、鬼頭莫宏氏の描く現代メルヘン。
"竜の子"と呼ばれる異能の力を持つ存在とリンクした子どもたちの偶像劇です。

中心となるのは小学六年生の少女「玉依シイナ」。
彼女は小学生最後の夏休み、祖父母の家に父と訪れ元気に遊ぶのですが、海中で不思議な生き物と出会ったことで驚き海水を飲んで溺れてしまう。
そのまま行方不明になったシイナだったが、その後、診療所の玄関先で発見される。
その不思議な生き物が助けてくれたと考えたシイナは、その生き物を「ホシ丸」と名付け、存在を隠しながら一緒に行動する。

そのホシ丸は"竜の子"の一体で、他にも多数の"竜の子"とリンクした子どもたちが登場します。
最初にリンク者で自宅の近くに住む中学生「佐倉 明」に出会い、彼女とは持ち前の明るさで友達になるのですが、独自の思想でリンク者を束ね、大勢の人間を殺害する子どもたちの集団"黒の子供会"が登場し、"竜の子"を用いた戦いの渦が巻き起こります。
さらに、いじめられっこのリンク者が、"竜の子"の強大な暴力でいじめっ子を虐殺するシーンがあり、そのシーンはかなりグロくトラウマモノです。
はっきりいって一般向けではなく、かなり読み手を選ぶ作品だと思います。

ショッキングなシーンは他にもあり、豚食いのシーンなどは有名すぎて書くまでもないですね。
恐ろしいのは、割りとそのシーンが本筋にとって重要ではなく、必要性も薄い、なんなら脈絡もあまりないというところです。
誰もが振り向く美少年が、愛する男性を守るために歯を食いしばって拷問に耐え、そのまま無惨に殺される様にエンターテインメント性を感じる変態向けの作品なんじゃないかなと思います。

キャッチーなシーンの多さとは裏腹に、ストーリーは難解な部類だと思います。
それというもの、リンク者それぞれにドラマがある"偶像劇"となっているためだと考えます。
脇道にそれた短いストーリーが展開されながら、主人公「シイナ」に関して伏線が散りばめられます。
最初に出会った"乙姫"と呼ばれる竜の子、シイナの夏休みの宿題の絵、なぜかホシ丸とリンクできないこと、そして、"シイナ"という名前の意味。
ただ、それらもまた『シイナ』というキャラクターを主役にした偶像劇の一つであり、ストーリーの大きな幹とは違うものだったりします。

ラストは、サイコーにひどいもんです。
打ち切りではないかと思うようなスピーディー過ぎる畳み方をしますが、賛否が発生する間もなく、最終話の前時点で既に賛否の塊のようなものですね。
"ぼくらの"と同じく鬼頭節が好みか否かで分かれる作品だと思います。

なるたる

レビュー(157)件

完結・全12巻

3.0

11巻まで読みました

ワッハマン

レビュー(7)件

完結・全11巻

3.8

9巻まで読みました
1巻無料

波よ聞いてくれ

レビュー(454)件

既刊9巻

4.2

3巻まで読みました
1巻無料

君と宇宙を歩くために

レビュー(109)件

既刊5巻

4.4

9巻まで読みました
2巻無料

スキップとローファー

レビュー(746)件

既刊12巻

4.3

10巻まで読みました
3巻無料

寄生獣

レビュー(1482)件

完結・全10巻

5.0

12巻まで読みました

ヒストリエ

レビュー(517)件

既刊12巻

にぃなさんのアイコン

にぃな

Nina6
8ヶ月前

3.0

1巻まで読みました

神様がうそをつく。

レビュー(60)件

完結・全1巻

Loading ...