黒田硫黄

1年前ぐらいに映画観た。
映画2作の原作+メイキングのあれこれ+短編2作。
やっぱりレース終盤の熱量すごい。「スーツケースの渡り鳥」の方はかなりあっさり。映画版で色々付け足されてる感じ

このシーンをこの構図で？！とびっくりした場面が結構ある。唯一無二のとてつもない作家

すごいと聞いていたから期待していたが確かにこれはすごい。
凝った構図に結構な頻度である倒置法。「メトロポリス」とよしもとよしとも原作の「あさがお」がめちゃくちゃすき。
バクマン。だと最高とシュージンが最初の持ち込みで服部さんに人物と背景の線に差がないってダメ出しされてたけど、黒田硫黄に至っては差がないことが良さになってる特異な作家性の現れとも言うべき作品たち

まず、カメラワーク。高野文子を彷彿とさせる巧みなカメラワークが凄すぎる。作品自体はとても漫画的だけどカメラワークが映画的な印象。
次に演出。タバコの煙か雲か曖昧にしてる演出には心臓止まった。大好き。
スクリーントーンもかなり少ないしそれが作品に合ってる気がする。時代劇ものとかインドのやつ、アンダルシアの夏とかはほぼ使ってないと思う。ない方が雰囲気の出るお話だったし、線が筆ペンかな？ってぐらい太くてかつ陰影、白と黒を強調するようなお話だったていうのもあると思う。逆にスクリーントーン使ってる作品は、高間のお話だったり、静かなゆったりとした時間が流れる場面だったりで使われてる印象。夜だったり家の中だったり。
いい漫画を読んだ。最高や

収録作の「あさがお」がめちゃくちゃ良かった。こんな水の表現見たことない。取り留めのない会話だったり一つ一つの動きだったりが凄い密度で描かれていてすごい

1巻で読むのやめた

話進んでくに連れてドンドン夢みたいなコマ割りになった。2003年ごろに青春したかった

色っぽいさくひんだ