セクシーボイスアンドロボ

黒田硫黄

3.52

856

発刊:2001.11.30 〜

既刊2巻

『セクシーボイスアンドロボ(1)』巻の書影
『セクシーボイスアンドロボ(2)』巻の書影
🦦さんが読んでいます

あらすじストーリー紹介

   テレクラのサクラをしながらスパイ修行をする少女、林二湖(ニコ)。コードネームは「セクシーボイス」。偶然出会った、謎の「おじいさん」からの依頼を受け、さえない相棒ロボを手足に使って次々と事件を解決していく。14歳の女の子ならではの軽やかさと大胆さが、すがすがしい読後感をもたらしてくれる。2002年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞作品。第1巻では1話で1つの事件を解決する、1話完結式の構成だが、第2巻では、裏社会に深く足を踏み入れてゆくニコの姿が描かれ、ゆるやかに物語全体が進行していく。 <p> 「今救えるのは、宇宙で私だけ」(1巻)、「意志でなく、才能が行く道を選ぶ。/そういうことがあると思うのよ」(2巻)。こんなほれぼれするようなキメゼリフと黒田独特の構図が、冴えまくる。登場人物のそばにぴたりとはりついて描いているかのような構図と思い切りひいて描いた構図が突然切り替わり、心地よいめまいをもたらしてくれる。 <p>   セリフまわしや「スパイもの」という設定のせいで、全体の印象はどこかクラシカル。だが、ニコのキャラクターやディテールの作りこみ、事件ごとの設定には、いまどきの風俗を巧みに取り入れており、そのバランスの取り方がなんともにくい。 <p>   黒田作品というと、玄人好みであるとか難解であるとか評されることもしばしばであったが、本作は誰が読んでもきっちりと楽しめるエンターテイメントとしても、極上の仕上がりになっている。(門倉紫麻)

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