出来損ないの姫君、異国の嫁ぎ先がなんと大歓迎!?フェイトナム帝国で出来損ないの姫君と言われていた第二皇女クレア。敵国バラトニア王国との和平条約で、敵国に人質として嫁に出されることになった彼女は、死すら覚悟して乗り込んでいったのだが、そこで待っていたのは国を上げての大歓迎と、王太子の妃という超好待遇!? 彼女はたぐいまれな知力を誇る「生ける知識の人」で、王国の人達が待ち焦がれていた存在だったのだ!
絵は素敵。なのに話は一ミリも面白くなくてむしろこっちが困惑した。 ストーリー自体は、「自国では嫌われ者の自分が、他国に生贄として嫁いだらなんか熱烈大歓迎されてた!」という、親の顔より見た展開。 そして主人公は御多分に洩れず、笑顔を作るのが苦手で、知識ばかりが豊富な「淑女教育の失敗」とのこと。この時点ですでに思い当たる類似作品がいくつかある。そんな面白ポイントが掘られ尽くされている、わかりやすい題材を扱っているのに、なんなんだろうこの単調さは。 全キャラクターに立体感がなくただプロットに動かされているように感じるとか、よくわからない長文の設定が取ってつけたように突然出てくるとか、色々突っ込みたい部分はあるが、やはり1番の問題点は、主人公夫婦に魅力を感じられないところにあると思う。 1巻で描かれていた2人の馴れ初めは良かった。皇女が自身のもつ知識で隷属国の王子を助けるという胸熱展開。けれど今思えばピークはそこで、それ以降2人がどうやって仲を縮めていったのか、皇女が何をきっかけに王子を好きになっていったのか、何もわからず、というか知ろうという気も起こさせないぐらいに淡々と描写が続き、いつの間にか2人の新婚旅行まで話が進む。 過程を描かず結果だけを見せつけられた感じで、「へー良かったねパチパチ。それで?」状態が永遠に続く。 キャラに感情移入ができないロマファンほど苦痛なものはない。後半は面白くなるだろうと、期待を込めて5巻まで読んだが、困惑に困惑を重ねただけだったので、ここらでやめておこう。ありがとうございました...
by タコ星人🐙 (48)タコ星人🐙
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