水城せとなさんの作品の書影

水城せとな

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477

3.0

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端的にいうと、ダメ男好きのゆるふわ系愛されガールが性懲りもなくダメ男に惚れてしまう話。
ただ、女子が読むと恐らく全く別のイメージを持つと思います。
男の、それもいい大人が書いた水城せとな作品のレビューなので、今回はその点を念頭において参考にしていただけると幸甚に思います。
ちなみに水城せとな作品は割と男性からの支持も多く、本作についても男性が見ても十分に面白い内容となっているので、普段、能力者バトル漫画や萌え系四コママンガばっかり読んでいる諸氏も本レビューを気に手にとっていただけると嬉しいです。はい。

ストーリーは大変女性誌らしく、大人のドロドロした愛憎劇が繰り広げられる内容になっています。
主人公の櫻井いちこは、一月前の飲み会であった早乙女亮一に駅で偶然であい、彼女らしくもなく声をかけてしまう。
行きずりで肉体関係を持ってしまい、その後告白されたことをきっかけに付き合い始めるが、という話。
この手の作品には珍しく主要な登場人物が3名ほどしかおらず、最初に述べたとおり「なんでこんなのに惚れちゃったんだろう」と思いながらも好きになった相手のことを考えてしまう女性の苦悩を物語ったものになっています。
また本作の特徴として、いちこの脳内には5人の男女がいて、いちこの行動はこの5人の会議によって決められています。
議長を務める吉田、ネガティブな池田、瞬間の感情を表すハトコ、ポジティブな石橋、記憶を司る岸の5人の会議といちこの行動がリンクしてストーリーが進むという構成です。
そのため、主要人物は少ないですが、あまりそういうイメージは受けなかったです。

私的には回鍋肉のキャベツを避けて食べるような極端な偏食野郎のどこに魅力を感じるのか全くわかりませんでした。
とにかく子供っぽくわがままで、行儀悪い男に惚れてしまう心理が理解できず、読み進めるたびに、早乙女亮一への嫌悪感が高まりました。
作中いちこは何度も早乙女に酷い目に合わせられるのですが、なんで早々に切らないんだろうと不思議に思います(注:個人的感想です!)。
ただ、そのおかげでいちこは振り回されることとなって、会議は紛糾するため、読んでいて楽しい内容になっています。
序盤は笑えるシーンが多かったです。ですが、話が進むにつれていろいろ洒落にならない感じになっていきます。
ラストは賛否両論ありますが、私的には良かったと思いました。当初から望んでいたラストという感じで、良かったと思える最後だったと思います。
映画化もした話題作ですが、巻数は短く5巻で完結します。
テンポよく読みやすく、男女問わずおすすめの作品です。

脳内ポイズンベリー

レビュー(70)件

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