日渡早紀さんの作品の書影

日渡早紀

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218

4.1

12巻まで読みました

広辞苑ぐらい読み応えがありました。

文庫版 ぼくの地球を守って

レビュー(28)件

完結・全12巻

3.6

8巻まで読みました

「僕の地球を守って」で著名な日渡早紀氏の作品。
日渡早紀らしさが全面に出たSFファンタジー要素の強い作品で、未来と過去が交錯し今を紡ぐ内容となっています。
サブタイトルは"-アインシュタイン睡夢奇譚-"で、アインシュタインと、広島と長崎に落とされた原子爆弾が密接に関わります。

主人公は「篤生涙花」という女性。
彼女は幼い頃に飛行機事故に遭い、共に飛行機に乗っていて弟「昌人」は事故で帰らぬ人となってしまいます。
そして、事故のニュースを聞いて駆けつけた父も、その途中で交通事故で亡くなってしまい、残された母はショックで心神喪失状態となってしまう。
怪我がある程度回復した涙花は念願だった母に会うが、母は涙花を昌人と勘違いしたまま涙花を認識できなくなり、そのまま涙花は、母のため昌人を演じ続けています。
その結果、奇妙なことに涙花は第二次性徴を迎えず、それどころか体つきも身体的特徴も男性に近づいていく。
そんな折、涙花の元に、涙花だけを追い求めてやってきたという「ヒカル」と名乗る男性が現れる。
奇妙な奇跡を使う涙花と、彼女の元に現れた謎の男性ヒカル、彼の探し求めるGlobal Gardenに至るため、運命の歯車が回りだすというストーリーです。

コマ割りがわかりやすく、女の子もかわいいです。
ただ、結構ころころと場面が変わるのと、話が複雑で登場キャラも多いので、内容についていくのが結構難しかったです。
また、Global Gardenとはどういった仕組みのもので、なぜ涙花が必要であるか(なぜ涙花なのか)というところがよくわからず、ある程度は、そういうものと飲み込みながら読む必要があると感じました。

アインシュタインの逸話と原爆、それと北欧神話という、科学とファンタジーのミックスがされていて、日渡早紀作品の雰囲気が好きな方はハマると思います。
ちなみに、アインシュタインの有名な逸話がいくつか話と絡んでいて、例えば、アインシュタインはフロイトと、「なぜ人は戦争するのか」について書簡を交わしたことがあるのですが、そこでフロイトはアインシュタインの考えをバッサリと切って捨てたという逸話があります。
それを受けてアインシュタインが考えた結果が本作のテーマといってもいいものとなっていて、逸話とストーリーの交え方がおもしろいと思いました。
全8巻と巻数はそう長くないですが、個人的には (同作者の"未来のうてな"もですが) もう少し長くじっくり描いてほしかったなと思いました。

GLOBAL GARDEN

レビュー(8)件

既刊8巻

4.5

21巻まで読みました

転校生の主人公、坂口亜梨子は、物語のように続き物になっている夢を共有するクラスメイト、小倉迅八と錦織一成と知り合う。
夢の中では彼らは全く別人格で、異星の科学者となっており、月の基地から他の5人の仲間達と地球を見守っているという。
後日、坂口亜梨子は、何かと亜梨子に絡んでくる近所に住む少年・小林輪を預かることとなり、その際に誤って、彼をベランダから転落させてしまう。
傷は木々がクッションとなったため軽症で済んだのだが、小林輪もまた月基地での記憶を取り戻す。
その後、坂口亜梨子も月の夢(ムーン・ドリーム)を見ることとなり、科学者たちの一人、木蓮としての記憶を取り戻す。
坂口亜梨子が木蓮だと聞いた、迅八と一成は、他の仲間も探し始める。
この月の記憶は主人公たちの前世の記憶であり、やがて、その前世の記憶が今の自分達の存在を脅かすものになる、という話です。

序盤は、月基地と7人科学者、地球を見守るという共通の夢を見るという認識しかないので、気軽に仲間探しなどをしてしまうわけなのですが、仲間が増えて夢の詳細が明らかになるにつれて月で起きた様々な記憶が思い出されてきます、仲間同士の恋愛感情、母性の消滅、基地内に蔓延する伝染病、諍い、果ては、、
地球とは全く交流がない星系の宇宙人が地球人と酷似しているという矛盾に目をつぶれば、SF作品としてもいいできだと思います。

21巻でひと続きのストーリーとなっており、構成がかなりうまいです。読んでいて惹きつけられるものを感じました。
特に、同じシーンを別の視点で語られるところなどは読んでいて感心しました。
ただ、人によっては冗長に感じるところや、行動原理が理解できない箇所が目につく可能性があり、その為、万人におすすめするとは言えません。
逆に言えば、ツボにはまった場合は夢中になると思います。

久々に読み返しましたがやっぱり面白かったです。
個人的には、前世で特殊な関係だった輪と迅八には、現世でももっと絡んでほしかったなと思いました。

ぼくの地球を守って

レビュー(96)件

既刊21巻

3.2

11巻まで読みました

代表作として、「僕の地球を守って」がある日渡早紀の作品。
ぼく地球同様、主人公の日常が崩れてゆくことから始まり、前世の因縁、世界の命運に関わる運命に立ち向かう話になっています。

ぼく地球に比較するとイマイチと感じましたが、ぼく地球が神がかった作品なだけであって、本作も決して悪い内容ではなかったです。
複数の人物と接触を行い、少しずつ謎が解き明かされてゆくストーリーとなっており、多数の登場人物が各々の考えで動くのですが、各々の活躍シーンが少なく、各個に能力があるけど非常にわかりづらいこと、また、主人公を含む主人公格のキャラクター陣が途中から全く違う性格になってしまい、話についていき辛くなることが難点です。
各キャラの能力について、例えるならばジョジョ5部以降のスタンド能力と同種のわかり辛さがあります。

中盤過ぎたあたり、だいたい7巻あたりまでは十分楽しめるのですが、それ以降は駆け足すぎる気がします。
氷樹の受け入れまで、ほぼ丸2冊分をかけているのに。
それまでの倍以上のページ数をかけて、少しずつ書いていくべき内容が、一気に流されてしまっているようで少し残念です。
1度読んだだけだと分かりづらくて投げ出したくなる内容ですが、しつこく集中して読むと深い話であるとわかると思います。
ただ、やはり、同じ作者のぼく地球と比較してしまい、そして惜しい作品だと感じました。

未来のうてな

レビュー(14)件

既刊11巻

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