板垣恵介さんの作品の書影

板垣恵介

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3,314

3.3

17巻まで読みました

バキシリーズ5作目。
日本書紀に登場する相撲の神様というべき古墳時代の豪族・野見宿禰を中心し、相撲がテーマとなっています。
前作では宮本武蔵がクローン技術で蘇りましたが、本作の野見宿禰は、野見宿禰の子孫であり、名乗りを唯一許された二代目・野見宿禰です。
剛力無双で命を惜しまない強者との戦いを望んでいた当麻蹴速という男がおり、それを聞いた垂仁天皇が出雲国から野見宿禰を呼び寄せ、二人は勝敗を相撲つけるという伝説で有名です。
現代に降り立った野見宿禰と、刃牙たちとの戦いを描いた新章。

新キャラとなる野見宿禰は、石炭を握りしめることで金剛石に変えるほどの握力の持ち主で、その四股は大地を清め植物が繁茂し池の鯉も肥える。
最初にアンチェイン、ビスケット・オリバと戦い圧勝、その強さを見せつけます。
ただ、対オリバ戦からしばらくはバキたちと直接戦わず、日本を代表する戦士として地下闘技場戦士5人と角界の力士たちとの6対6のバトルが始まります。
作者の板垣恵介氏は、相撲の強さを感じて本作の執筆を初めましたが、結局のところ相撲ファイターが地下闘技場戦士に並ぶことはなく、バトルも特に大荒れなく終わります。
相変わらずテンポはよく、読みやすくて作品として面白いと思うのですが、結局、ストーリーとして何も進展しない感じがありました。
なお、序盤にオリバに勝利した宿禰ですが、後で身体がボロボロの状態でリベンジマッチを仕掛けられ、オリバに逆襲されます。
そのあたり、マホメド・アライJrを彷彿させたのですが、手負いの状態だったのでオリバもなんだかなあという気持ちになってしまいました。

また、刃牙道からですが、絵柄が丸くなって迫力が乏しくなっています。
首が太くなり過ぎで耳の位置がおかしくなり、目がパッチリしすぎてドールのよう、そんなキャラクターのバトルに凄惨さも感じづらくなっているのが悲しい感じです。
刃牙道はそれでも結構楽しめたのですが、相撲編は、そもそも野見宿禰の魅力が少なく、強者感もあまりないので、過去作に比較すると微妙な感じがしました。
一点、地下最大トーナメントに出場した金竜山が再登場したのは良かったですね。
それまでの刃牙の唯一の相撲戦士、忘れられていなかったのかと、ただ、なぜか老け込んでいますが。

次回作も連載中ですが、序盤でまさかの鎬昂昇vs花田純一が始まりワクワクが止まらない。正直、こういうのが見たかった。
バキ道は微妙でしたが、次回作は期待できそうと思ってます。

バキ道

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