それは、完全無欠の「彼女」の楽園。 学校では皆から奴隷のように虐げられ、家で は二人で暮らす母親に暴力を振るわれる…。 それが彼女、園藤姫乃の日常だった。だがあ る日、彼女を刺した一匹の「蜂」が、運命を 一変させる。――彼女の、そして人類の。人 という「種」を刺し貫く、戦慄のインセクト ・サスペンス!!
1999年、とある片田舎。3人の中学生男女は、新たなツールを手に入れた。 それは時間も距離も関係なく、顔の見えない相手とも繋がることができる「インターネット」ーー。 “テレホタイム”が待ち遠しくて仕方なかった平成のインターネット黎明期を描いた新感覚ノスタルジックストーリー、開幕!
1999年代後半〜2000年初期。 この頃にインターネットを楽しんでいた人は、もう間違いなく懐かしすぎて涙を流すはず。 「Yahooジオシティーズ」「ホムペ」「自治厨」「お絵かき掲示板」「MIDI」エトセトラ… 懐かしの上記キーワードが本作では物語に絡んできます。 舞台は1999年-2000年のいわゆるネット黎明期。中学生のめぐは大好きなゲームソフトのイラストを描くことが大好き。 ある日、めぐはそのゲームのファンサイトなるものがあることを知り、次第にインターネットにのめり込んでいきます。 インターネットの海に潜っているときの表現が独特で可愛いです。この工夫が本作をひとつのマンガ作品たらしめていると思います。 初めてインターネットに触れて、BBSやチャットで同じファンと雑談し、寝不足になり、やがてオフ会にも行っちゃう。そのくだりがすごいリアル。 もちろんそれとは別に、ひとつのマンガ作品としてもとても面白かったです。 荒らし、自治厨の登場や初めて作るホムペ、同じゲームファンの友人との交流、そしてキーマンとなる4コマ漫画作家とのくだり。そしてタイトル回収。 目次や表紙デザインもジオシティーズっぽさでまくりで楽しい。 作者の詩原ヒロ先生はホラー漫画「冥婚の契」で知りましたが、振り幅がすごい。本作もとても良い作品でした。
by せーふぁ (1046)