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完結・全3巻
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a▼第1話/闇と光▼第2話/再会▼第3話/確信▼第4話/軋轢▼第5話/沈静▼第6話/指図▼第7話/遺恨▼第8話/惨事▼第9話/啖呵●登場人物/立脇仁(竜山組の構成員。幼い頃生き別れになった弟・仁を心のどこかで探している)、市乃瀬正(東大大学院を卒業後、西新銀行に入行したエリート。額に大きな傷がある)、弓香(仁の恋人。仁と交際していることは秘密にしている)、竜山(仁が世話になっている暴力団の組長)●あらすじ/3年の刑期を終え、横浜の街に戻って来た竜山組の構成員・立脇仁。暴力団にも恐れられる仁だが、しばらくは静かに暮らそうと考えていた。ある日の昼下がり、仁は西新銀行に勤める一乃瀬正という男と出会う。仁には幼いころ生き別れになった正という名の弟がいたのだが、この一乃瀬の額に、弟・正と同じ傷があったのだ!!運命の糸に手繰り寄せられるようにふたつの魂が出会う……。▼この巻の特徴/行きつけの喫茶店で偶然、正と再会した仁は、ある事件から彼が自分の弟であることを確信する。ところが仁は、竜山の命令により正の勤める西新銀行を恐喝することに。敵対する立場に置かれた仁と正は……。
戦前の芸能・相撲などの興行は、地元ヤクザと密接な関係にあった。山口組もまた、初代春吉親分の頃に浪曲興行を手がけ、二代目登親分は「山口組興行部」を組織、浪曲はもちろん流行歌や相撲興行にも進出していった。そして戦後、三代目田岡組長は、人気漫談師を巡って吉本興業と争い、幼い美空ひばりとの出会いを通して興行界に地歩を固める。山口組興行部は、芸能人に公正な報酬を約束するとともに、陰では「鶴田浩二襲撃事件」に見られるように、ヤクザとしての実力を行使することで勢力を拡大。「大阪から西では山口組に断りを入れないと興行できない」と言われるようになり「神戸芸能社」と改名した。更にプロレスを日本に紹介、爆発的な人気を得て興行界に盤石な地位を固める。しかし好事魔多し。美空ひばりの興行権を巡り稲川組と激突寸前の危機を迎え、横浜に大軍を送り込む。山口組全国制覇のもう一つの戦い!