もやしもん

石川雅之

3.72

9328

発刊:2005.05.23 〜

完結・全13巻

『もやしもん(1)』巻の書影
『もやしもん(2)』巻の書影
『もやしもん(3)』巻の書影
『もやしもん(4)』巻の書影
『もやしもん(5)』巻の書影
『もやしもん(6)』巻の書影
『もやしもん(7)』巻の書影
『もやしもん(8)』巻の書影
『もやしもん(9)』巻の書影
『もやしもん(10)』巻の書影
『もやしもん(11)』巻の書影
『もやしもん(12)』巻の書影
『もやしもん(13)』巻の書影
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この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.72

276件の評価

4.2

13巻まで読みました

主人公は種麹屋の次男坊・沢木直保。
彼には生まれつき特殊な能力があり、ミクロやナノの世界で生きる菌やウイルスを目視することができます。
それを視覚することができない普通の人には信じてもらえず、そのため、変わり者として扱われてきました。
そんな彼が「某農業大学」へ入学し、祖父の友人で細菌や発酵研究を行っている樹慶蔵のゼミに入ります。
直保と一緒に大学入学をした幼馴染の結城蛍や、大学の先輩、樹ゼミのゼミ生たち、そしてたくさんの菌たちとの大学ライフを描いた作品です。

酒造りや味噌づくり、ウイルスの感染症から発酵食品の歴史まで学べる学習マンガとしての側面も強いです。
序盤から、イヌイットの保存食・キビヤックや、韓国の高級食品・ホンオフェを取り上げていて、興味深く読めました。
口噛み酒というと『君の名は。』で有名ですが、個人的にはもやしもんで知ったという方のほうが多いのではと思います。
A.オリゼーを中心として、各菌たちの関係性や"かもし"のメカニズムが学べます。
また、A.ソーエやL.ヨグルティ、S.セレビシエ、O-157や溶連菌など、菌たちがマンガらしくデフォルメされていて、楽しく学べる菌マンガ的な作品ですね。

一方で、同級生、先輩たちも個性的です。
特に、序盤は幼馴染として一緒に大学に入学した結城蛍は、途中から不在になり、女装姿で再登場します。
恋愛要素低めのマンガですが、女装の蛍がモテてるようにみえる直保に嫉妬するようなシーンがあり、なんともいえない気持ちになります。
女性キャラは少なくないのですが、女装した結城蛍が一番人気キャラであることは言うまでもないですね。

地ビールについて議論を交わし、桶買いなどの商習慣にメスを入れるなど、菌だけではなくとりまく業界についても学べます。
ただ、終盤に連れて文章量がかなり多くなります。
ちゃんと読めばすごく良いと思うのですが、それこそ大学講義レベルの内容が繰り広げられるため、ある程度の理解力が必要だと思います。
ですが、菌の学習パートが本作のポイントではありますが、そこを読み飛ばしたとしても普通にマンガとして面白いです。
序盤は入りやすいので、斜め読みでもある程度詳しくなれるところもあると思います。
菌に興味があってもなくても生きるのに発酵は必要不可欠で、皮膚の上にも土の上にも空気中にも目には見えない菌がいる。
目に見えない彼らについてある程度知ってみると、世界が少し違って見えるかもしれないと思いました。

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