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浅野いにお
3.66
3604
発刊:2011.03.17 〜
既刊2巻
恋というには強(したた)かで打算というにはあまりに脆い……。浅野いにおが描く、身勝手で切実な十四歳の青春。海の近くの小さな町に暮らす平凡な中学生・小梅。小梅に思いを寄せる、内向的な同級生・磯辺。思いよりも先に身体を重ねてしまった二人。秘密の時間を過ごせば過ごすほど、心の距離は遠ざかっていく――。
84件の評価
ヴァッハ
3.4
かっこつけたい奴ら全員集合!いにおさんは厨二かっこつけ野郎の代弁者として凄く優秀。典型的なかまってちゃんで、被害者面しながら「可哀想な私」に酔っている小梅と斜に構えて正体不明のモヤモヤを餌に自分を演出する磯辺。身体を重ねたから好きになったのか、元から気になっていたから体を重ねたのか。衝動に身を任せた癖に妙に慎重で二の足を踏んでいる小梅は、見ているとイライラする。そしてそれに不満を言って「俺は違うぜ」感を出しながらも結局振り回されている磯辺のダサさにも何とも言えない。自分が何をしたいのか、目標が分からないけど何かをしたい人は足掻くけど、この二人は足掻くことさえも充分に出来ずにいる。そのモヤモヤをかっこつけることで発散する特有の空気感というか、わざと地雷を踏んでいってそれによって「バリア」を作る姿勢は、頭に過りやすいもの。やはり抽象的ないにお作だった訳だけど、中でも起承転結がとりわけ分かりやすかったように思う。
ぴかちゅう
3.3
エモエロです
シュン
4.7
このレビューにはネタバレを含みます。
情景が美しい。セリフの掛け合いが素晴らしい。言葉がグサグサ心に刺さる。思春期の子供とも大人ともいい難い人間たちの葛藤が胸を締め付ける。自分も若い時は抱えていた出口のないフワフワした暗闇。今思えば何故あんなに悩み苦しんでいたのか…主人公の2人に起こる事の順序が違えば、タイミングが合えばこの話はどこにでもある純愛ラブストーリーになっていたのか…イヤ、その幻想は大人になった私の願望でしかないな。でもどんな恋だってお互いの血となり肉となり根付いていくんだ。人生なるようにしかならい、思い描いた道と違ってもどんな風に歩んだとしても大丈夫と思える作品だった。それにしても少年少女が時々見せる大人の表情がドキッとするくらい魅力的で驚く。
ohimaru
大虎丸
せーふぁ
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