この漫画のレビュー

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586件の評価

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10巻まで読みました

ジャズ・サックスのプレイヤーを目指す若人が主人公の作品。
高校生の宮本大は、ある日ジャズに触れ、そしてライブハウスで聞いたジャズ演奏を目の当たりにし、世界一のジャズ・サックス奏者になることを決心する。

本作については「騙されたと思って、一巻だけでいいから読んで見てください」につきると思います。
浦沢直樹ライクな画風と、ジャズをテーマとしている渋い内容に敬遠してしまいがちで、実際、私もいまいち食指が動かなかったのですが、あまりにもネット上の評判が良いので、少なくとも駄作ではないと思って読み始めてみました。
これがもう凄いのなんのって、ここまで続きが読みたくなった漫画にも久しぶりに出会いました。

宮本大がサックス奏者として躍進する様を描いた作品と一言で言うとそうなのですが、高校生からサックスを始めて一朝一夕に、ジャズのプロとして食っていけるようになるわけもなく、序盤、主人公は河川敷で一日も欠かさず練習を続けます。
仙台という厳しい土地にも関わらず、大雪が降っても、真夏でも、ひたすら練習を続ける、その様がまずは常軌を逸しています。
「一日も欠かさず練習をする」こと自体は他の漫画でも見られる描写ですが、実際やってみろと言われるとかなりきつい。
宮本大はそれを誰に強制されるわけでもなく、“自分のために”やるんです。
その描写に、心打たれます。果たしてここまで打ち込んだ何かが自分にあったかと問いかけてくるかのようで。
そして読み終える頃には、宮本大のファンになって応援していることとなると思います。

ジャズをテーマにしている漫画なので当然演奏のシーンも多々あるのですが、月並みな感想ですが、音が聞こえてくるようでした。
演奏中は基本的に擬音語は書かれないスタイルですが、演奏の迫力、汗、周囲の反応、息継ぎや指使いの描写に優れていて、セリフも擬音語も無いページが数ページ続くこともあるのですが、不思議に騒がしく感じます。
そして決まってそういうページでは涙腺が緩みました。

中盤に差し掛かる前辺りから舞台を仙台から東京に移し、自信家のピアニスト沢辺雪祈と、高校生からの同級生だった玉田俊二をドラマーに引き込みトリオを組みます。私的には玉田が特に好きなキャラです。
玉田は進学のために上京していたところを、住み場所のない大に押しかけられるという役どころだったのが、大と雪祈に感化されてドラムを始めるます。つまりメンバーで唯一のただの素人なのですが、必死に練習し大と雪祈の演奏に追いつくようになります。
正直勇気づけられます。天才でもない、積み重なった努力もない、そんな今の自分にもこれから頑張れば何かできるのかもしれない、そんな気にさせてくれるキャラです。

全10巻ただし、10巻で完結せず、続編「BLUE GIANT SUPREME」に続く終わり方になっています。
実際のところ本作は羽ばたくまでの序章にすぎない内容だと思います。「BLUE GIANT SUPREME」も注目です。

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