花と奥たん

高橋しん

3.46

1596

発刊:2009.04.30 〜

完結・全5巻

『花と奥たん(1)』巻の書影
『花と奥たん(2)』巻の書影
『花と奥たん(3)』巻の書影
『花と奥たん(4)』巻の書影
『花と奥たん(5)』巻の書影
うにたべたいさん、他1人が読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.46

19件の評価

3.9

2007年12月から不定期連載し、2019年9月発売の第5巻で完結しました。
私は未だに電子書籍が認められなくて、書籍の購入は紙媒体のみを選択しているのですが、本作は電子版のみがカラーで紙の本は白黒版となっているようです。
カラーだと情報量が増えて読むのかしんどくなるので、写真集などでもない限りは白黒の方が好みなのですが、電子版も紙も値段は一緒でカラーにあわせているため一冊が割高です。
また、2巻までは一冊のページ数が多く、ボリューム感があるのですが、3巻以降は厚みが普通のマンガサイズのため、お得感が低いです。
私は気にせず購入しましたが、これから購入する方はご留意を。

ストーリーは最終兵器彼女以降の高橋しんお得意の、いわゆるポストアポカリプスです。
ただし、物語の中心は奥たんの日常と、その日に旦那たんために作る料理にスポットが当たっています。
世界の情勢や滅びに至るまでの経緯については断片的に伝えられるのみとなっており、各話の最後には、ペットのミニウサギの「Pたん」が適当な感じで紹介する、話中に登場した料理のレシピが掲載されています。

ある日突然都心に巨大な花が出現し、東京は唐突に死んでしまう。
北海道から横浜の外れに嫁いできた、新婚の奥たんは、出勤したまま帰ってこない旦那たんを待ちながら、今日もおいしいご飯を作り続けるという少し悲しい物語で、世間的には日常が一転し、粛々と滅びの運命を辿っている雰囲気が感じられます。
ただ、奥たんは体は小さいのにかなり肝っ玉が据わっており、怯えたり、旦那たんを心配して悲しみにくれるような描写は無く、人々が汚染されているのではと警戒して口にしようとしない巨大化した野菜なども平気でおいしく料理します。
伝え聞く限りはかなりヤバい状況らしいのですが、悲壮感はなく、むしろ非常にホンワカした作風です。
その辺、高橋しんらしいと思いました。

3巻から5巻は一ヶ月おきに発売されましたが、1巻から2巻は約4年、2巻から3巻は6年以上空けて発売されていて、2巻までと3巻以降で奥たんの顔が変わってしまったのが少し残念です。
ただ、一貫して作品の雰囲気やバックエンドにあるらしい物語は変わっておらず、それほど違和感なく読めました。

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