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鬼頭莫宏
3.90
4782
新刊通知
発刊:1998.08.19 〜
完結・全12巻
155件の評価
うにたべたい
4.6
前作で、複数の少年少女を主人公として地球を舞台に戦うロボット漫画"ぼくらの"を描いた、鬼頭莫宏氏の描く現代メルヘン。"竜の子"と呼ばれる異能の力を持つ存在とリンクした子どもたちの偶像劇です。中心となるのは小学六年生の少女「玉依シイナ」。彼女は小学生最後の夏休み、祖父母の家に父と訪れ元気に遊ぶのですが、海中で不思議な生き物と出会ったことで驚き海水を飲んで溺れてしまう。そのまま行方不明になったシイナだったが、その後、診療所の玄関先で発見される。その不思議な生き物が助けてくれたと考えたシイナは、その生き物を「ホシ丸」と名付け、存在を隠しながら一緒に行動する。そのホシ丸は"竜の子"の一体で、他にも多数の"竜の子"とリンクした子どもたちが登場します。最初にリンク者で自宅の近くに住む中学生「佐倉 明」に出会い、彼女とは持ち前の明るさで友達になるのですが、独自の思想でリンク者を束ね、大勢の人間を殺害する子どもたちの集団"黒の子供会"が登場し、"竜の子"を用いた戦いの渦が巻き起こります。さらに、いじめられっこのリンク者が、"竜の子"の強大な暴力でいじめっ子を虐殺するシーンがあり、そのシーンはかなりグロくトラウマモノです。はっきりいって一般向けではなく、かなり読み手を選ぶ作品だと思います。ショッキングなシーンは他にもあり、豚食いのシーンなどは有名すぎて書くまでもないですね。恐ろしいのは、割りとそのシーンが本筋にとって重要ではなく、必要性も薄い、なんなら脈絡もあまりないというところです。誰もが振り向く美少年が、愛する男性を守るために歯を食いしばって拷問に耐え、そのまま無惨に殺される様にエンターテインメント性を感じる変態向けの作品なんじゃないかなと思います。キャッチーなシーンの多さとは裏腹に、ストーリーは難解な部類だと思います。それというもの、リンク者それぞれにドラマがある"偶像劇"となっているためだと考えます。脇道にそれた短いストーリーが展開されながら、主人公「シイナ」に関して伏線が散りばめられます。最初に出会った"乙姫"と呼ばれる竜の子、シイナの夏休みの宿題の絵、なぜかホシ丸とリンクできないこと、そして、"シイナ"という名前の意味。ただ、それらもまた『シイナ』というキャラクターを主役にした偶像劇の一つであり、ストーリーの大きな幹とは違うものだったりします。ラストは、サイコーにひどいもんです。打ち切りではないかと思うようなスピーディー過ぎる畳み方をしますが、賛否が発生する間もなく、最終話の前時点で既に賛否の塊のようなものですね。"ぼくらの"と同じく鬼頭節が好みか否かで分かれる作品だと思います。
おかぴぃ
3.6
戦闘シーンがわかりにくすぎるあと謎が多いのは別に良いんだけどもうちょっと理解したいのにさせてもらえないようなコマ割りされて興味保つのが結構むずかった。
ero_gro_nonsense
n
3.9
ストーリー◎雰囲気◎絵◎
ゆき
4.5
読んだら気分が落ち込む。面白いけど。
きりしき
5.0
鬱漫画としてもてはやされることが多いけど個人的には鬱展開というよりは電波。後半に行くにしたがって崩壊していくストーリーラインが凄く良い。
うっちゃん
4.0
今思うと、ネット全盛期な中でのり夫のくだりネタバせずに読めたの奇跡だったな
ごぶ
個人的に莫宏先生で一番好きななるたる。カップリングだけ置いておきますね。全部好き。無駄がなくてよいなあ。鶴丸とシイナ→王道。鶴丸とのり夫→子供を作ってあげられないのり夫は…そのことすらポジティブに鶴丸のそばにいられると考える。つらい。鶴丸と女の子たち→モテるね。子供もいる。甘えたりもする。豚食いとのり夫→生きたまま解体→人形に生首ぶちこんでオブジェにされる。文吾とさとみ→幼馴染の2人。さとみ様に従うだけの文吾かと思っていたが過去がちょい紹介されると、その逆だとわかる。文吾の人形の足を切って返す性癖はやばい。さとみは人形扱いか。さとみ廃人化以降は文吾が面倒をみる、この2人的にはハッピーエンド。1番好きなカップリング。シイナとヒロ子→遅かった悲劇…シイナと明→遅かった悲劇…明と父→遅かった悲劇…と言うか別の道もみせてあったのに…ニンフォマニアック…シイナと父→ベタベタ。さすがに中学生になったら一緒にお風呂はナシ。シイナと母→名前の意味は後編であきらかに。ヤクザ?とクリ→はあ…最悪…
ヴァッハ
4.3
「ぼくらの」同様死生観の物語。特に共通しているのは、死ぬのは簡単生きるのは難しいというもの。氏の作品では非常に簡単に人が死ぬ。でもそれは死を適当に描いたものではない。重く描こうとかサラッと描こうとかそんな表面上で捉えていない。ただそうなるべくしてそうなったと言うだけの話。話の大筋は、起承転結どれを取ってもありきたりなSFだけど、作者独自の味付けが濃いことこの上ない。哲学が重くのしかかり、残酷にも優しく問いかけてくる。その哲学を支える残虐な描写とショッキングな展開。有名なもので言うと豚食いとノリ夫のシーンだが、これはネタバレを見ずに初めっからしっかりと読んで楽しんで欲しい。さて見る人を選ぶ大傑作だが、つまりは他に代替のない名作でもある。漫画読みならば抑えておきたい一作。
みーん
3.8
全巻読んで、もう一度1巻のシイナのセリフを見ると、なるほどなってなりました。だれも救われない漫画です。
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