この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.99

1061件の評価

4.3

28巻まで読みました

ヤングジャンプで連載していたラブコメディ。
原作者の赤坂アカ氏は、他に『推しの子』の原作も手掛けたヒットメーカーで、本作も、言わずとしれた氏の代表作です。
2025年8月時点で3クールにわたるアニメ化、平野紫耀と橋本環奈をメインに据えた2度の実写映画化を行った大ヒット作品。
その一方で、最終回が一部ファンの期待にそれたことから批判され、『推しの子』の最終巻も同様に投げ出したような最終話に炎上したという経緯があります。
『推しの子』は未読なので、なんとも言えないですが、少なくとも、本作は批判されるようなラストではないと個人的には思いました。
ネタバレになるので細かくは書かないですが、最終話で批判をしている方のポイントを確認すると、わからなくもないような気もしており、今までその世界に浸ってきたからこそ気になるポイントのように思えます。
ただ、そこまで読み込んだファンではなく、気ままに一作品として読んでいた私的には、正直、気にもしなかったところなので、「おもしろいそうなので、読んでみよう」という方は十分楽しめる作品だと思います。

舞台は、東京港区にある名門校・秀知院学園。
元々、貴族や士族の教育機関として設立されたという由緒ある歴史を持ち、日本の将来を担う大富豪や名家の子息・令嬢が通っています。
外部入学も一応可能だが、偏差値は77前後という高い水準を誇っています。
その秀知院学園の生徒会室にて、生徒会長を務めるのは、珍しい一般市民階層からの入学である秀才・白銀御行。彼が本作の主人公です。
生徒会室副会長を務めているのは、総資産200兆円の巨大財閥『四宮グループ』の令嬢・四宮かぐや。彼女もまた、本作の主人公の一人です。
学園一の秀才と大財閥の令嬢のコンビである二人は、衆目を集め、似合いの二人であると噂されています。
お互いがお互いを認め合っており、互いに惹かれ合っているのですが、共にプライドが高く、そのまま半年経過しても何も進捗のない状態となっていました。
いつしか二人は、自分から告白することを「負け」と考えるようになり、「如何にして相手に告白させるか」を競い合うようになる、というストーリーです。

些細な言葉尻、揚げ足を取り合い、好きであるということを認めさせるために頭脳をフル回転させるという、非常にバカバカしいですがお互い真剣な勝負として成り立っているのが面白いです。
序盤は基本的に一話完結型でテンポも良く、ライトに読みやすいと思います。
サブキャラクターも魅力的で、天然でへっぽこな藤原書記が、二人の攻防戦に空気を読まずに割り込んで、戦局を不透明にしたりします。
序中盤の生徒会選挙戦で、白銀御行は一年生・伊井野ミコと生徒会長の座を巡って争いますが、以降は、会計・石上優と会計監査となった伊井野ミコ、石上が片思いをしている子安つばめを含めた恋愛ドラマが平行する形となります。
結構、サブキャラクターは多く登場し、中盤からはサブキャラクターのストーリーが多くなります。
また、四宮家のお家騒動が発生し、すべてを巻き込む形で最終回へつき走り、序盤の中学生同士の恋愛のような展開からは想像できないドラマティックな終わり方となりました。

個人的には大満足な内容で、すべてのわだかまりが解決された、素晴らしい終わり方と思います。
ただ、途中までサブキャラクターのストーリーが並行していたのですが、メインの二人以外については、あまりその後を語られずに終わったのが微妙なところで、批判の対象でもあるところですね。
もう少し丁寧に描かれていればと思う部分もないではないのですが、それを踏まえても良い終わり方だったと思いました。

この漫画を読んだ他のユーザー

Loading ...