有害都市

筒井哲也

3.47

1275

発刊:2015.04.17 〜

完結・全2巻

『有害都市(1)』巻の書影
『有害都市(2)』巻の書影
さささん、他2人が読んでいます

あらすじストーリー紹介

2020年、東京の街ではオリンピックを目前に控え、“浄化作戦”と称した異常な排斥運動が行われ、猥褻なもの、いかがわしいものを排除するべきだという風潮に傾き始めていた。そんな状況下で、漫画家・日比野幹雄はホラー作品「DARK・WALKER」を発表しようとしていた。表現規制の壁に阻まれながらも連載を獲得するが、作品の行方は──!? “表現の自由”を巡る業界震撼の衝撃作!!

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この漫画のレビュー

一覧
5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.47

20件の評価

3.4

2巻まで読みました

"マンホール"という作品が長崎県の青少年保護育成条例で有害指定を受けた経緯のある筒井哲也のディストピア作品。
都道府県の条例で制定していた有害図書指定を一元化してコントロールする法案が可決されたことにより、有識者の諮問会議によって一般的な表現であっても、描かれたマンガの表現を害悪と指定するようになった社会が舞台です。
主人公はデビューしたての漫画家で、そのデビュー作が圧力を受けてしまい、掲載誌が回収騒ぎになってしまう。
クレームを恐れて作品をねじ曲げるか、有害指定を受けながら描き続けるかの岐路に立たされるという内容です。

マンガにおける表現の自由というのは今も昔も変わらずに存在する大きな課題であり、ある程度の規制と、その規制を決定する議決機関の存在は表現の自由を守る上でも必要です。
一方でその議決機関が表現の自由を束縛する場合も当然あり、一時話題になった非実在少年に関する条例なども、可決されていれば本作のような世界も夢物語では無いわけです。
そういう意味で現実に近いディストピア感があり、読んでいて考えさせられるものがありました。
作中の表現は諮問会議を悪とする方向だったように思えますが、必ずしも悪とはしておらず、その意見に100%の反論もできないような描き方になっています。
また、1954年、ドイツのワーサム博士の研究書から発生したアメリカのモラル・パニック、漫画の出版禁止運動や漫画本の焚書についても取り上げられており、そういった漫画の歴史を知らないままでいる方には勉強になる作品だと思います。

ただ、ラストは「え、なにこれ?これでおわるの?」という感じの留意の下がらない終わり方でした。
主人公が漫画家で、漫画家目線でしか語られなかったためか、いまいち結論が見えなかったです。
結局のところ漫画家が食えなくなるから、漫画家が好き勝手に描くことができずストレスが溜まるからいけないのだろうか、そうではない、そういうことを伝えたいわけでは無いと思うのですが。
テーマは良いのですが短すぎるのが個人的に残念でした。もう少し深く読みたかった。

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